2月17日、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場にてＦリーグ2023-2024ディビジョン１・２入替戦の第1戦が行われ、エスポラーダ北海道とヴォスクオーレ仙台が対戦。

運命の一戦で先手を取ったのは“チャレンジャー”の仙台だった。4分に森村孝志の強烈なシュートをGKが弾いたところを浅野岬が押し込む。登録メンバー最年少の18歳がＦリーグ初得点で勢いをもたらした。10分には丸山将輝が自陣でドリブル突破から、得意の反転シュートを叩き込み2点差とする。

2-1で折り返した第2ピリオドは、北海道に押し込まれる時間が長くなる。それでも、GK税田拓基のファインセーブなどでピンチを凌ぎ、試合終盤に突入する。ドラマが待っていたのはラスト1分。第2PKで一度は同点とされるも、その14秒後に藤山翔太のパスを丸山が“ヘディング”で突き刺す。土壇場のゴールで第1戦の勝利をもぎとった。

試合を終え、清水誠監督と平澤凌が記者会見に出席した。

浅野岬のゴールは予感していた

●ヴォスクオーレ仙台｜清水誠監督

──試合を振り返って。

（3-2で勝利して）ホッとしてる感じなんですけど、僕らの立ち位置的にはスコアを1個でも動かさないといけない状況だったので。チャレンジャー精神を見せ続けて、最後にゴールに結びつけてくれた選手たちが心強かったです。

──最後に勝ち切る、仙台らしさが出たのではないでしょうか。

おっしゃる通りだと思います。今シーズンの僕らを象徴するような試合だったと思います。僕自身は理想を掲げながら向かっていくのですが、今はキャプテンと戦術的なところも含めて話し合いながらやってきて、（Ｆ１・Ｆ２入替戦の）切符を勝ち取りました。1点とられようが、追いつかれようが、やることは変わらないので。流れはまだ僕らにあるんじゃないか、勢いは加速したような気がします。

──第1ピリオドの残り2分でタイムアウトをとったが。

流れはお互いにある中で、それをどれだけつかめるかだと思っています。自分から渡すことも、渡してしまうこともある。あの時はキックインでやりたい形があったのと、押し込まれた時間が長くて、疲労感もあったので、流れを断ち切りたかったと思って、タイムアウトをとりました。

──浅野岬選手がＦリーグ初ゴールを決めたが。

基礎練習を一緒にやっているんですけど、ゴールをとる気はしていました。経験からくるものだと思うのですが、そういう勘は大事にしています。

──第2ピリオドで押し込まれる時間が増えたが。

相手の流れの時間は当然来るのですが、自分たちが息を吹き返したというか、あの時間帯を耐えたのは大きいと思います。お互いに5ファールはたまりましたが、もう“死闘”なので。明日も当然こういうゲームになると思います。

──明日の第2戦に向けて。

戦い切れる選手、ピッチに立たせられる選手をうまく見極めていかなければいけません。（パワープレーなど）特殊な局面に入っていく可能性も高いので、そういうところも含めて選手起用していきたいです。

ファーストシュートで流れをとれた

●ヴォスクオーレ仙台｜平澤凌

──試合を振り返って。

監督も話したように、僕たちは1点でもスコアを動かさないといけない。僕個人はミスもありましたが、今日は仲間に助けられて勝利をもぎとれたので、明日に向けて切り替えて、イチからやっていきたいなと思います。

──試合開始直後にシュートを放ったが。

立ち上がりはシンプルに自分たちに流れを持ってこようと思っていました。今井（翔）選手から良いパスが来たので決めたかった。流れを引き込めたというのは感じている。ファーストシュートもそうですし、立ち上がりは僕たちのゲームにできたのはよかったです。

──明日の第2戦に向けて。

僕たちは一度Ｆリーグから退いた時もありましたが、その中でも支えていただいたサポーターや、スポンサー企業の皆様、たくさんの方のおかげでプレーできています。その人たちのためにもＦ１に戻りたいです。技術もありますが、気持ちが大事になると思うので、今日の結果は意識せずに明日に向かっていきたいです。