作成日時：2024.03.22
更新日時：2024.03.23

【Ｆリーグオールスターゲーム】現役最後のガッツポーズ。878日ぶりの復帰戦を楽しみ抜いた佐藤玲惟「終わりよければすべてよし」

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PHOTO BY本田好伸

3月19日、墨田区総合体育館で行われた『Ｆリーグオールスターゲーム2024 TOKYO ～Fun For Fan Futsal Festa～』。ファンからの投票で選ばれた32名の選手は「ＦリーグEAST」と「ＦリーグWEST」の2チームに分かれて戦い、最終スコアは3-3に。PK戦でも決着はつかず、試合は引き分けに終わった。

二度の膝の大怪我により、長期離脱を強いられた“湘南の情熱”・佐藤玲惟。

クラブからは移籍を提言されながらも、「湘南以外のエンブレムをつける気持ちはない」という意思を貫き、今シーズン限りでの現役引退を決めた。

「レイくんにもう一度ピッチに立ってほしい」

そんなファン・サポーターの思いが一つになり実現した、オールスターでの復帰戦。

878日ぶりにピッチに立った佐藤は、大勢の観客が見守るなか痛みと戦った右足を思い切り振って現役最後のPKをネットに突き刺し、渾身のガッツポーズを披露した。

試合を終えた佐藤に話を聞いた。

悔いのないように、思いっきりぶちこんだ

──試合を振り返って、どうですか？

楽しかったです！もう幸せでしたね。正直終わってほしくなかった。でも、今日は自分も楽しむし、会場やＦリーグTVで見てくださっている皆さんと、このオールスターという特別な時間を一緒に楽しみたいと思っていました。なので少しでも「楽しかったな」と感じてもらえたらうれしいですね。僕はもう思いっきり楽しめたし、「終わりよければすべてよし」じゃないですけど、こういう形で現役生活を終えられるっていうのは幸せだなと思います。

──1点目はいいパスを堤優太選手に出して、先制点の起点になりました。

ドリブルで運んで、堤（優太）選手が裏抜けてなんとなく目があって、スペースにいい感じに出せたんでゴールにつながってよかったです。

──ご自身でもう力強いシュートを何本か打っていましたね。

決めたかったです。そこだけ悔しいけど、最後もPK決めたからいいかな。よくないか？たぶん人生で一番緊張したPKでした。「いけ！いけ！」って心の中で言いながら気持ちで入れました。変に狙って外したら後悔したりもすると思うので、もうそこはもう悔いのないように。本気で蹴って外したらもう後悔はなかったんで、思いっきりぶち込みました。

──イゴール選手の威圧感はすごかった？

すごすぎです。最初遠くから見ていたら「ここだ」と思って蹴りどころを決めていたんですけど、いざ6メートルのところに立ったら「蹴るスペースないな」って。いつもフィウーザでやってるはずなんですけど、同じぐらい威圧感とかオーラはあったので、久しぶりにその感じを体感して、やっぱこれだよなって。ピッチプレーするのが一番楽しいし、ピッチの上が一番成長できるから、本当はもっとＦリーグで出たかったなっていうのも思うんですけど、まこはもう終わってしまったこと。でも今日ファン・サポーターの皆さんが投票してくださったおかげで、このオールスターという晴れ舞台に立つことができました。もう皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

──沖縄では、チームメートと強化合宿もしていましたね。

自主トレ合宿をやりました（笑）。最初、大さん（菊池大介）が僕を誘ってくれてとケンシン（牧野謙心）とナオ（前川尚志）と行ったんですけど、引退した選手のことなんて普通誘わないじゃないですか。最初冗談かと思ってたんですけど、「本当にやるよ」って言われて。でも、せっかくオールスターあるから「行きます」って言って、砂浜ダッシュしたりジムに行ったり、サッカーのフルコートを4人で使ってトレーニングしたり……。みんな遊びに行ったと思ってるかもしれないんですけど、けっこう追い込みました。観光の方が少ないです。いいトレーニングを沖縄でできたんで、PKを決められました。

──菊池大介選手はどんな存在でしたか？

本当に兄貴のような存在ですね。僕らより選手経験も何十倍もある選手で、試合に出れない時のメンタル面とか過ごし方とか、いろんなことを教わりましたし、お互いに試合に出れてない時も「まだ俺らこのままじゃ終わんないよな」っていう話したり、「レイが頑張ってるのはずっと見てるし、やり続ければ絶対大丈夫だから」と言い続けてくれた、尊敬する兄貴です。これからもついていきます。

──最後にチームに残る仲間やファン・サポーターに向けて。

湘南ベルマーレは日本一のサポーターの方がついてるし、日本一にふさわしいクラブだと僕は思います。だからまずは、ベルマーレと小田原に一つタイトルをぜひ取ってほしいなと思うし、とにかくもっともっと一緒にベルマーレを、小田原を、そして日本のフットサル界を盛り上げるために、僕もできることをやっていきたいと思っているので、ぜひ今後も湘南ベルマーレと佐藤玲惟の応援もよろしくお願いします。