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作成日時:2024.04.06
更新日時:2024.04.09

【日本代表】アジア、そして世界へ。エース・清水和也の意気込み「代表選手として成長した姿で、新しい歴史を作りたい」

PHOTO BY伊藤千梅

開幕までいよいよあと2週間ほどに迫ったAFCフットサルアジアカップタイ2024。ベスト4以上の国に与えられるワールドカップ本大会出場権獲得、そして大会連覇に向け、日本代表が3月30日から高円宮記念JFA夢フィールドで国内合宿をスタート。トレーニング最終日の4月6日には、リガーレヴィア葛飾との練習試合を行い、8-0で日本代表が勝利した。

ウズベキスタンで行われたアジアカップ2016、当時最年少選手として期待されながらも、メンバー入りを逃した清水和也。
世代別も含めて数々の国際大会を戦ってきた清水だが、ワールドカップ予選を兼ねたアジアカップを戦うことは、初の経験となる。

12年ぶりの“自力出場”、連覇、周囲からの期待……。さまざまなプレッシャーを抱えながらも、清水の表情は自信に満ちあふれている。

「やっと来た!という気持ちです」

練習後、そんな笑顔を見せるエースストライカーに話を聞いた。

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どの試合も決勝戦のつもりで勝ちを積み上げていく

──国内トレーニング最終日になりましたが、現時点での仕上がりはいかがですか?

序盤は所属しているリーグによって、シーズン中の選手もいればオフシーズンの選手もいてコンディションのばらつきはありましたが、監督・コーチ陣が組んでくれたスケジュール通りに体が仕上がってきているなと感じています。1日オフを挟んでもしっかり動けていますし、最高の状態じゃないかなと思います。

──約1週間の練習ではセットの人員を変えながら、いろいろな組み合わせを試していましたが、これまでの親善試合や紅白戦などを見ていると堤(優太)選手と一緒に出る時間が長く、プレーもしやすそうな印象があります。

堤選手だけではなく(吉川)智貴くん、アルトゥールともう1年以上同じセットでプレーをしてきているので、そのメンバーで練習する時間も長いですがミックスしている時もある。誰とやっても同じようなことができることが一つの強みになってきています。

ただ特定の二人組の関係性で言うと、僕とつっつー(堤優太)は、左利きのアラと右利きのピヴォで相性も良く、お互いに同じ絵を描けている感覚もあって、練習していて楽しいです。このコンビでもっと得点を量産できるように頑張ります。

──全日本選手権から少し間が空きましたが、代表活動が始まるまでの期間はどうやってコンディションを整えていましたか?

選手権が例年より早く終わりましたし、少し痛めてしまったので治療をしながら、数年ぶりに10日間ほどフットサルをしない“完全オフ”の時間を過ごしました。アジアカップを前にメンタルを一回リセットするという意味でも、久しぶりにゆっくり家族と過ごすことができて、いいリフレッシュができました。そこから、名古屋のサテライトチームの練習に参加させてもらってまた一から体を作ることができたので、濃い時間を過ごせたかなと思います。

──2年前の前回大会と大きく違うのは、ワールドカップの予選も兼ねた大会だということ。とてつもないプレッシャーがあるんじゃないかと思いますが、“日本のエース”として、今のメンタル状況はどうですか?

ここ数年はワールドカップへの切符が懸かったアジアカップは開催されておらず、僕自身もそのシチュエーションでこの大会に臨むのは初めてですが、プレッシャーを感じすぎると窮屈になってしまう部分もあります。なので、先のことを見過ぎずに目の前の試合に向き合っていきたいですね。ただ一方で、「ワールドカップ出場」は最低限の目標。チームとしてはその先の目標を掲げて、「何としてもタイトルを取りにいく」という強い思いを持って積み重ねてきました。アジアカップという大会のことだけを考えても前回の苦しい経験もありますし、一戦一戦が本当に大事になります。6回勝ったら優勝、その一つ前にワールドカップ予選突破がありますが、チームもいい雰囲気で仕上がっているので、一人ひとりがどの試合も決勝戦のつもりで勝ちを積み上げていけば、必ず目標を達成できると思っています。そのために、自分もこれまで以上の力を出せるように、初戦までにしっかりといい準備をしたいです。

──初戦のキルギス戦が非常に大事になってきそうですね。

直近で相手のキルギスも他の国と練習試合をしていい状態だという情報は入ってきていますし、監督のスカウティングでも、かなり手ごわい相手だということは選手たちにも伝えられています。それでも僕たちは、これまでやってきたことに自信を持っていることは変わらないですし、やるべきとをしっかりやり切れば必ず勝利に結びつくはず。固くなりすぎず、スカウティングもしっかり進めて18日を迎えたいですね。

──2016年の予選敗退から、清水選手は2021年のワールドカップでその記憶や思いを先輩たちから受け継いだ。そして今大会では次の世代へ伝えていく立場になりますね。

そうですね……。ただ、2016年のことばかりを気にしすぎても良くないし、過去にとらわれずできるだけフラットな形で大会には臨むことがベストかなとは思います。ただ、当時と同じようなシチュエーションで苦しんだり状況が悪くなった時には、経験のある選手がうまく打開策を導き出して伝えていかないといけないな、と。そこに関しては智貴くん、アルトゥール、イゴールとの3人と一緒に、チームをサポートしていきたいです。

──今大会は木暮監督体制になってからの一つの集大成として挑むことになります。清水選手はブルーノ監督時代にワールドカップにも出場していますが、2度目の出場を懸けた戦いへの思いを教えてください。

木暮監督が現役の時代や、それ以前から積み重ねを経て今の日本代表チームがあり、受け継がれたスピリットの中で、自分たちもいろいろな経験ができています。ミゲル監督の時から代表に関わっていますが、ワールドカップ出場を逃した2016年のアジアカップも直前でメンバー外れたこと、2021年はコロナの影響で予選がなくなったこと、初めてワールドカップに出場できたこと……。すべてが糧になっています。その「恩返し」じゃないですけど、自分が代表選手として成長した姿で、新しい歴史を作りたいという強い気持ちがありますし、それは僕だけじゃなく野心を持った若手選手も同じことです。今までと比べて平均年齢も低く「経験値」の部分で心配されることもありますが、今選ばれてるメンバーはFリーグで主力として活躍して、木暮監督のさらに自信をつけてプレーしている選手ばかりです。僕たちが楽しみながら戦っているところを、ぜひ皆さんにも見てもらいたいです。

──初戦で得点するイメージは沸いていますか?

もちろんです!最初から爆発していきます!

──今回のアジアカップは「DAZN(ダゾーン)」で中継されるので、サッカーファンをはじめ、普段フットサルをご覧にならない方も試合を見てくださるチャンスでもあります。改めて注目ポイントを教えてください。

普段Fリーグを見ている方にとっても、国を背負って戦う試合は違う楽しさが詰まってると思いますし、よりハイレベルなフットサルが見れるんじゃないかなと思います。今のチームのスタイル的にも、よりスピーディーで戦術的な要素も多いので、初めて見る方にとっては特に僕たちのモデルを理解することは難しいと思いますし、解説される方も大変かもしれません。でも、そういった緻密な戦い方にこの競技の魅力が詰まっているのでシステムチックな部分も楽しんでいただきたいです。何よりも応援してもらうことが自分たちの力になるので、背中を押して欲しいです。応援よろしくお願いします。



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