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作成日時:2025.01.05
更新日時:2025.01.05

【F1第20節|記者会見/湘南vs仙台】現役を退く菊池大介がホーム初ゴール!“湘南のNo.10”へ、湘南・伊久間洋輔監督が送る最高の褒め言葉「今からでも引退を撤回してほしい」

PHOTO BY舞野隼大

【Fリーグ】湘南ベルマーレ 6-3 ヴォスクオーレ仙台(1月5日/小田原アリーナ)

1月5日、小田原アリーナにてFリーグ2024-2025 ディビジョン1の第20節が行われ、湘南ベルマーレとヴォスクオーレ仙台が対戦。湘南はホーム最終戦を6-3で制した。

試合を終え、伊久間洋輔監督と高橋広大が、記者会見に出席した。

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大介は少ない時間でも結果を残せる選手

●伊久間洋輔監督|湘南ベルマーレ

──試合を振り返って。

ホーム最終戦ということで、たくさんのお客さんが応援に駆けつけてくださり、とても力になりました。

前回の試合と同様に立ち上がりの意識を強調して臨みましたが、序盤はすごく良く、先に1点を取ることができました。その後の失点で追いつかれた場面はディフェンスが甘くなったところがありましたが、合計4点を第1ピリオドのうちに決めることができたのは、大きかったです。そこから計盛が退場した局面も選手はしっかりと守り切ってくれて、その後も追加点を奪うことができました。

ただ、不運なオウンゴールがあったものの、第2ピリオドの入りについては課題ですし、どう改善していくかが重要です。

大介が引退するということで、試合前に前回も勝利への熱量を体現して、大介が最後に泣いて挨拶をするというプランを立てて全員に共有していましたが、本当に泣いてくれましたね(笑)。結果のみ、良かったと捉えています。

上位リーグに行くにはもっと実力を上げないといけないので、次の試合も全力で戦いたいです。

──1ー1に追いつかれて、今日一番ヒリヒリした時間に菊池大介選手を投入しました。タイミングについてはどのように判断して送り出したのでしょうか?

仙台に対して大介のスピードを生かしたサイドの突破が効くと思っていたので、特に同点だからということはなく、プラン通りの判断です。

アウェイのシュライカー大阪戦でもゴールを決めたように、少ない時間でも結果を残せる選手だと思っているので、彼が点を取ったというのは僕の采配によってのものではなく、彼の力だと思います。

──2年間「Fリーガーの菊池大介」を指導して、彼はどんな選手だったと感じていますか?

Jリーグで10年以上もプレーしてきた選手ですから飲み込みも早く、言ったことがすぐできるところは、とても驚きました。サッカーとは全然違う競技なので、当然難しい部分もあったはずですが、「これはこうだよ」と伝えると、「なるほど」と理解してすぐに再現できる。いわゆる「フットボールIQ」 というものが非常に高いからこそ、順応できたんだろうな、と。

30歳を超えてから競技フットサルに転向して、Fリーグで得点を奪うのは簡単なことではないと思いますが、 2年目でこれだけやれている。3年目まで続ければもっとゴールも増やせるし活躍もできたはずです。なので、彼には「引退を撤回しろ」と何度か引き止めましたが、ここまで大きなセレモニーやると……ちょっと難しそうですね。素晴らしい選手なので、新しい道でも頑張ってほしいです。

──チームには、どんな影響を与えていましたか。

フットサルではなくても、Jリーグでの経験は豊富なので、勝たなきゃいけない試合での「やられちゃダメだ」というところのポイントを抑えている。試合中には相手との小競り合いとか、見えにくいところでの小さな勝負があるんですが、そこでまず負けない、「ここだぞ」というところを短い時間でも体現してくれるし、みんなに共有してくれました。

今シーズンの開幕戦、中断明けの初戦、年末年始と節目の戦いで勝っているのは、彼がもたらしてくれたものも、少なからず影響しているのではないかなと感じています。やっぱり、引退は今からでも撤回してほしいですね(笑)。

──「節目の試合で勝てている」ことについて、菊池選手以外のところで、どういったところが勝利につながっていると感じていますか?

感情をコントロールするところですかね。

「負けたらやばい」という感情や、「勝たなきゃダメだ」という感情は当然ありますが、そこに左右されすぎるとやるべきことがおろそかになってしまいます。だから、まずは感情的になる前に、やるべきことをやる。

この試合も「10分間は無失点で、ピヴォに入ったら絶対にやらせるな」という話をしました。勝つために当たり前のことを言っているだけですが、感情を昂らせるだけではなく、行動しようと常に伝えています。

今日も4ー3で、追いつかれてしまうだろうなと見ている人は思ったかもしれませんが、その状況でも練習した通りにやれるかどうか。たとえ同点に追いつかれても、1点リードされても、「やるべきことをやる」というところができれば勝つのは必然だと考えているので、「感情にブレない」というところが、一番の要因かなと思います。



仙台の状況を考えても何をしてくるかわからなかった

──第2ピリオドに連続失点をしたあと、タイムアウトを取らなかった理由は?

とてもネガティブな状況でしたし、(藤田)安澄コーチとも相談しながら悩んではいました。ただ、追いつかれようがこちらが防いで盛り返そうが、いずれ相手はパワープレーを仕掛けてくるだろうし、同点になれば僕らもパワープレーを選択しなくてはいけないかもしれない。そこまでタイムアウトは取っておいたほうがいいのではないか、と見送ることにしました。退場者が出たタイミングでも迷いましたが、仙台の出方をみてそのままいけそうだなと判断しました。

──このタイミングで仙台と当たる難しさはありましたか?

とても難しいなと僕は感じていました。 勝てば上位リーグも見えてくる、お正月明けの一発目。選手は正直「いけるだろう」と心のどこかでは思っていたでしょうけど、仙台の状況を考えても、何をしてくるかわからない。ビビっていたわけではないですが、今シーズンのここまでの試合で一番嫌な試合だな、と。

ただ、予測がつきづらいなかでも、何かしら特殊なシチュエーションは起こり得ると思ったので、GK攻撃をするのか、パワープレーの時間を長くしてくるのか……と考えながら、年末もいろんなトレーニングを重ねてきました。数的不利になるのは想定外でしたけどね。

一言で言うと、難しかったです。

──それでも、考えていた対策のところはある程度うまくいったという評価でしょうか?

そうですね。(仙台が)ペスカドーラ町田戦やバルドラール浦安戦で第1ピリオドから長い間パワープレーをしていましたけど、今日はそうはならなかったですけど、もしされた時の対策はしていました。

最後だけ、「この時間になったら、このセット」と決めていて、 そこに計盛(良太)もいたので少しだけ焦りましたけど、全員パワープレーの守備ができるようにトレーニングしていたので、 大きなエラーは起きませんでした。

──レギュラーシーズンの残りの2試合は、また上位対決になりますが、意気込みをお願いします。

今日の試合で勝てたことは非常に大きいので、この勝ちを無駄にしないように。上位リーグからすれば「湘南に負けるわけにはいかない」という気持ちでしょうけど、だからこそ隙も出てくるはず。我々はもう、ぶつかるのみです。

一人ひとりが勝利のために戦えば、決して勝てない相手ではありません。選手もスタッフもみんなもそう思っているはずなので、もちろん対策をしながら全力で臨みます。



ダイさんに何度も助けられ、新しい気づきを与えてもらった

●高橋広大|湘南ベルマーレ

──試合を振り返って。

勝たないといけない試合で、勝てたことは良かったです。チャンスはたくさんあったので、もっと決められたとは思いますが、取らなきゃいけないタイミングで取れたことが勝因かなと感じています。

でも第2ピリオドの入りは監督の話の通り課題として挙げていて、不運な失点もあったものの、ウィークポイントをストロングにしていかないと、さらに上には行けません。

自分も失点が続いた時間は出ていたので、修正して次の試合に向かえるように練習から取り組んでいきます。

──菊池選手のホーム初ゴールをアシストしましたが、解説をお願いします。

相手が前から奪いにきていて間が空くことはわかっていたので、そこに入ったらボールが来ました。そこからダイさん(菊池大介)は スペースランをきっとするだろうなと予想して、パスを出しました。あまりちゃんと見えていなかったのですがやっぱり走っていて、あとはダイさんの決める力があったからこそかなと思います。

試合が終わった直後は勝ってほっとした気持ちのほうが大きかったですけど、今少し時間が経って、憧れていた選手の大事なゴールをアシストできて、じわじわと喜びが沸いてきています。 とてもうれしいです。

──最後の挨拶で「あと2つタイトルが残っている」と話をしていましたが、どんな思いで臨みたいですか?

ダイさんの口からもよく、タイトルをという言葉は出てきますし、自分も獲れると思って言葉に出しています。ダイさんのためにも、 今後クラブのためにも、自分のためにも必ず獲りたいです。

──「憧れだった」という言葉がありましたが、ベルマーレユースの“先輩”であり、フットサルでは”後輩”にあたる菊池選手は、高橋選手にとってどんな存在でしたか?

異例の加入で、 ダイさん自身も難しい部分はたくさんあったと思います。でも、そういうネガティブなオーラみたいなものは、加入当初から全く出ていませんでした。だから僕もキャプテンとして、そしてフットサルのプロとして引っ張っていかなきゃいけないと思いながら一緒に戦ってきました。

見ての通り吸収が早いしポテンシャルも高く、わからないこともあるなかでも思ったことをチームに向けて話してくれました。何度も助けられましたし、新しい気づきを与えてくれて、学ぶことがたくさんありました。関わることで自分も成長できましたし、大きな存在でした。

──レギュラーシーズンの残りの2試合は上位対決になりますが、意気込みをお願いします。

どちらも1巡目で負けている相手ですが、勝っても負けても成長し続けなきゃいけないという気持ちで、今シーズンチームのために取り組んできたつもりです。成長しているからこそこの6位という順位に食い込めていると思うので、残り2つ勝って上位リーグにいい形で進めるように頑張ります。

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