更新日時:2018.12.14
【大ケガからの復帰】「今の自分にできること」に向き合い続けた田口元気の、アキレス腱断裂からの5カ月間
PHOTO BY軍記ひろし
「正直にすごく辛くて、本当はもう練習も出たくないくらい辛い時期でしたけど、チームメート、ドクター、トレーナー家族のみんなが支えてくれて今日、このピッチに立つことができて感謝しています」
ヒーローインタビューに呼ばれた田口元気は、そう話しながら感極まって涙した。12月7日、右足のアキレス腱断裂の大ケガから5カ月ぶりにピッチに戻ってくると、味方のゴールをお膳立てしただけでなく、短時間ながらもフウガドールすみだの逆転勝利に貢献。「田口の完全復活」を印象つけるには十分な姿だった。
一瞬で崩れ去った今シーズンの成功プラン
「終わったなと。痛くはなかったんですけど、活躍して代表に入ることを目標にしていた中で、それが難しくなったなと一瞬でわかりました。この世の終わりのような、何も考えられませんでした」
第2節の前半途中、「ぶちっ」という嫌な音とともに田口のアキレス腱は切れてしまった。「オフからしっかりと準備してきて、練習試合、オーシャンカップ、開幕戦では自分の心と頭が噛み合っているなと。チームの勝利に貢献できる実感がありました」と、手応えを感じるシーズンが開幕した直後のことだった。
思い描いていたものが音を立てて一瞬で崩れ去る。耐えられないような辛く苦しい状況に当時の田口も「試合の前半にケガしたので、そのあとは正直に帰りたかった」と、現実から逃げたくなる気持ちがあった。
しかし、気落ちした田口を救ったのは仲間だった。
「あの試合はビハインドでハーフタイムを迎えて、そこでテンションコーチの金川(武司)が『元気は後半もいけるから頑張ろう』って言うんですね。いけるわけないのに(笑)。でもあそこで、自分に今できることをやらなければいけないなと(覚悟が決まった)」
負傷した選手は通常、ロッカールームに戻ってしまう。しかし田口はベンチにとどまった。「この試合に勝つためには僕がいた方が良い」と考えた。ピッチに立てない代わりに声で仲間を鼓舞し続けて、0-2のビハインドから後半5ゴールを奪っての大逆転劇を最後まで後押しした。
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