【大ケガからの復帰】「今の自分にできること」に向き合い続けた田口元気の、アキレス腱断裂からの5カ月間
PHOTO BY軍記ひろし
「田口元気」として全力に
受傷から2日後、田口は切れたアキレス腱をつなぐ手術を行った。そこからの長いリハビリ期間でも、田口は常に「今の自分にできること」を考えて行動した。ドリブルやスピードといったアジリティの部分を強みにする田口は、その特長をさらに生かすためにも上半身の強化が大事だと考えてトライしたのだ。
「手術して3週間でギブスが取れて、そこからトレーニングを再開しました。その中で、自分の特長をさらに出すために必要な部分として、まずは上半身の強化に取り組みました。シーズン中やオフ期間にもこれほどしっかりパンプアップすることは難しいですが、今はそれができる時期だと思ってやりました」
さらに田口はピッチ外での活動も始める。自身がプロデューサーとして自身が所属するフウガドールすみだを盛り上げようと様々な企画を世に送り出す「Reverse&Rebirth」プロジェクト(通称:リバプロ)を開始したのだ。
「選手をやっていてできなかったことでも、今ならばできる。自分のトレーニングをしながらうまく時間を使っていました」
この5カ月間は「今できること」にひたすら邁進した。そのアクションは、田口の行動指針を決定づけた。
「今日もたくさんのお客さんがきてくださいましたが、毎試合、このように熱気の溢れる会場を作って、来てくれた人に満足してもらいたい」
その思いは、リバプロのプロデューサーとしてのもの。
「2020年ワールドカップのピッチに立つこと。チームとしてもすみだで日本一になりたい」
その思いは、フットサル選手としてのもの。両者はいずれも、田口の軸にある。ピッチ内でもピッチ外でも、「田口元気」として全力を尽くす。復活は、終わりではなくむしろ始まりだ。田口はこれから、過去の5カ月以上に「今の自分にできること」を考えて走り続けていく。
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