更新日時:2025.10.19
【日本代表】「日本は諦めなかった」ブラジル代表・マルコス監督が語る“勝ち続けるため”の教訓
PHOTO BY伊藤千梅
【国際親善試合】日本代表 2-3 ブラジル代表(10月19日/北里アリーナ富士)
10月19日、フットサル日本代表は国際親善試合の第2戦でブラジル代表と対戦。第1戦から内容を大きく改善した日本は果敢に挑み、終盤に1点差まで迫る粘りを見せたが、あと一歩及ばず2-3で敗れた。
試合後、ブラジルのマルコス・シャビエル監督は「日本は40分間、集中を切らさなかった」と称賛しつつ、序盤でリードした後の自軍に気の緩みがあったと反省。「勝っていてもリラックスしてはいけない」という教訓を口にした。
日本は我々を驚かせた
●マルコス・シャビエル監督|フットサルブラジル代表
──今日の試合を振り返って。
前半から非常に拮抗している試合だと分析しています。スコアはブラジル優位で終わりましたが、その流れのなかで若干ブラジルがリラックスした、気が緩んだ、集中力を欠いたところがありました。ゲームのコントロールを取り戻そうとしましたが、なかなかうまくいきませんでした。
よって、試合の終盤は非常に難しい、厳しい状態でゲームを終えることになりました。日本は40分間ずっと、集中を切らしませんでした。それは1、2試合目を通じてです。日本からは一度も「諦める」という印象を受けませんでした。これは日本のメリットだと感じています。
──ブラジルは個人の技術だけでなく、スペースや戦況を把握する、次のプレーを予測するところが質が高いと感じましたが、そうしたことができるのはなぜでしょうか。
攻撃力というのは、ブラジル国民の特性というか、(もともと)もっているものです。それに対して、ボールをロストした時に、いかに相手にチャンスを与えないかも重要視しているところです。守備の強さというのが、ブラジルのフットサル代表が復活して、ワールドカップで優勝できた大きな要因だと思います。
とはいえ、2失点したのは我々にとっては久しぶりのことです。0-3になった時に少し気が緩んだのではないか、1試合目のようなスコア(4-0)で勝てるのではないかと頭をよぎったのではないか。私たちの浮き足だった状態を日本に利用され、我々を驚かせたと思います。
ブラジルのスペースや戦況を把握する能力は小さい頃から醸成されたものです。ブラジル人はサッカーを3〜5歳で始めます。いろいろなことを学ぶのに適しています。それをいかに発揮するかということを考えています。
──序盤でアグレッシブに来ましたが、1試合目を踏まえてどのように対策したでしょうか。
おっしゃる通り、ブラジルは1試合目を終えて日本のことをよく知りましたし、日本もブラジルをよく知った状況だったと思います。日本が与えてくれた機会を早々に利用して得点することができました。
ただし、物事はすべて完璧ということはなくて、ブラジル人選手はテクニックはあるが、規律に欠けていたり、簡単に集中力を失う場面があります。勝ってしまったような感覚に陥った際に、日本に圧力をかけられて大変な思いをしました。これは一つの教訓として我々は持って帰りたいと思います。
日本は規律があって、ずっと集中力を切らしません。試合は審判がホイッスルを吹くまで勝敗は決まりませんので、私たちは不要なリスクを背負ってしまったというのが、今回の大きな学びです。
──第2ピリオドから出場した日本のGK田淵広史選手の印象を聞かせてください。
非常に良いGKだと思っています。もともとブラジルに1年間留学に来ていて、そこで経験を積んだと思います。日本代表はブラジル人ゴレイロの系譜があり、(ピレス・)イゴール選手が何年も務めました。(田淵選手にはおめでとうと伝えたいと思います。努力を賞賛したいです。
──マルコス監督は2017年からブラジル代表を長年率いていますが、世代交代などをどのようにオーガナイズしているのでしょうか。
おっしゃった通り、オーガナイズをしています。ご覧いただいたように、今回も半分は若い選手で構成しています。W杯優勝経験者も残っていますし、そのように世代交代しています。大切なのは、今日のような経験をすることです。いずれにしても代表のシャツを着る意味、責任感、プレッシャーを感じてもらいながら育てています。
私が2017年に就任してからは、U-17世代からモニタリングしていて、良い結果を得ることができています。当時から見てきて今も代表にいるのがジョアン・ビクトル(FCバルセロナ)などです。 U-17の世界選手権を優勝していますし、W杯でも優勝しました。若い選手にチャンスを与えながら世代交代を行なっています。
最後に、みなさんに感謝の気持ちを述べさせてください。
非常に心温かく、日本に迎えていただきました。日本に来るのは4回目ですが、いずれ私の子どもも連れて、日本の素晴らしい文化を彼らに見せたいと思っています。私は常に日本の文化を尊敬していて、より多くのブラジルの人々に日本の文化を知ってほしいです。改めて、ブラジルという国を代表して、今回の機会に感謝したいと思います。ありがとうございました。
■試合結果・日程
10月17日(金) | 日本時間:19:10 | 国際親善試合 ●0-4 フットサルブラジル代表 |
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10月19日(日) | 日本時間:14:00 | 国際親善試合 ●2-3 フットサルブラジル代表 |
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2025.09.19