更新日時:2023.08.21
【F1第12節|記者会見/町田vs立川】我慢強く戦い、連敗回避で暫定2位再浮上。町田・甲斐修侍監督「どっちに転んでもおかしくなかった」
PHOTO BY高橋学
8月13日に、町田市総合体育館にてペスカドーラ町田と立川アスレティックFCが対戦した。
両者抜け目のない守備で0-0で試合を折り返すと、32分にPKを獲得しヴィニシウスのゴールで町田が先制。同分、野村のシュートから、こぼれ球を伊藤圭汰が決めリードを広げる。流れを掴んだ町田はパワープレー返しで2点を追加し、スコアレスから4点差を広げ、暫定2位に再浮上した。
試合を終え、甲斐修侍監督とキャプテンの伊藤圭汰が記者会見に出席した。
感情の起伏を起こさないことが大事
●ペスカドーラ町田|甲斐修侍監督
──試合を振り返って。
1戦目に試合をした時の立川ではないってことを想定しながら準備をしましたし、選手たちにもしっかり共有してスタートしました。前半最初の10分ぐらいまではチャンスもたくさんありましたが得点を取りきれませんでした。その時点で、今日のゲームはちょっと難しくなるなと考えながら戦う前半でした。
逆に10分を過ぎてからは相手に主導権を与えてしまって、危ないシーンがいくつかありました。その時間帯を無失点で乗り越えられて、なおかつ全選手を使うことで疲労を分散できたので、後半はいい形で入ることができたんじゃないかなと思います。
前半の問題点を選手たちは修正して対応してくれたので、後半はまたいい戦いができました。ただ簡単に点を取れる相手ではないですし、選手たちが我慢強く戦ったことでなんとか勝てました。正直4-0の試合ではなかったですし、どっちに転んでもおかしくなかったので、こういうゲームをホームで勝つことができて良かったです。
──甲斐監督はよく、試合は必ず勝ち負けがつくという話をしていますが、「連敗をしない」ということへのこだわりや、チームに伝えたことは何かありましたか?
以前の記者会見でもお話ししましたが、リーグ戦はカップ戦と違っていい時もあれば悪い時もあります。それは1試合のなかでも、例えば今日だったら前半の最初の時間帯と終わりとで切り取って見ても、試合の中でいいことも悪いことも必ず起こると思います。うまくいってもいかなくても試合はずっと続いているので、一つの事象にとらわれず、感情の起伏を起こさないことが大切です。簡単に言えば大人な解釈をもてるかっていうのは、本来の力を発揮するうえで非常に大きな課題だと思うし、選手たちにも常にその話はしています。
試合で切り取ったこと、さらにここ数試合の流れを考えても、シーズンに向けて準備してきたことや、選手たちのできるストロングポイントは勝ち負けが出たからといって急に良くなることも劣ることもありません。
いかに頭の中の整理をつけて試合ができるかは、このリーグ戦においてはすごく大事なことです。僕も現役だった頃に、チームがやってること、局面、内容も良かったけど試合には負けてしまうということを何度も経験しました。そういう時にチームって、それを引きずったまま1週間過ごしがちです。気持ちが沈むことで、もともとのチーム状態が下がってしまうと現象が起こりがちです。そこをいかにマネジメントするかが、我々コーチ陣の役割かなと思っているので、そこのコミュニケーションはしっかり取っています。
──PKで先制して、すぐに伊藤藤選手が2点目を決めました。今シーズンの町田は、「勝ち負けのツボ」をを押さえているように感じますが、監督としての見解を教えてくださいい。
PKで入った点は入ればラッキーという感覚だったので、入ったとしても難しいゲーム展開は続くと思っていました。もちろんベンチは盛り上がっていましたけど、勝負は何にも決まっていないことをベンチにいる選手たちには共有しました。
2点目についても、改まって「点を取りに行こう」と選手たちに話をしたわけでもなく、既に選手たちが相手に自由を与えないプレッシング強度を保ってプレーしてくれていたので、2点目の得点につながったと思います。僕としてもそれを見て、選手たちのそのコンディションの良さを感じました。足を止めなかったし、頭も止めなかった。勝利に近づくきっかけの2点目でした。
──パワープレーになったあとに、すぐにパワープレー返しを決めました。得点した髙橋裕大選手は、今シーズン、パワープレー時のディフェンスの1列目で存在感を放っています。監督はどう彼の適性を見極めて、守備のスペシャリストに育てたのかを教えてください。
今年から僕が見ることになりましたが、ルイス時代(前監督のルイスベルトナット・モリーナ)からああいうストロングポイントはもっていました。パワープレーをやる側からしたら、わかってはいてもめんどくさいチェイシングだったり、プレスをかけることができます。ただ、それは裕大だけじゃなくて原辰介も倉科(亮佑)も相手に相手に考える余裕と時間を与えないところを、試合をとおしてずっとやってくれています。なおかつ、その3人がハードワークしているなかで、キャプテンの伊藤圭汰がコントロールしながら、精度の高いカバーリングをしてくれています。どうしても髙橋が目立ちがちなんですけど、4人が全員が自分の役割をこなしてくれていることが、この結果につながっているのかなと思っています。
みんなで我慢強く戦えた
●ペスカドーラ町田|伊藤圭汰
──試合を振り返って。
前半はチャンスもピンチもたくさんありましたが、みんなで我慢強く戦えました。前半はなかなかゴールを決めきれませんでしたが、後半は少ないチャンスを決めることができて良かったです。(リーグ戦も)2巡目に入って難しい部分もありましたけど、これから他のチームも「町田を倒そう」というマインドで挑んでくると思うので、自分たちはそこを上回って行けるように試合に臨みたいです。
──今シーズンはパワープレーを受けることも増えて、その度にディフェンスの質や精度がどんどん高まっているように思います。ピッチではどう感じていますか。
パワープレーのディフェンスはすごく難しい局面なので、試合の経験はすごく大事だと思っています。今シーズンというのは、特にパワープレーを受ける時間もすごく長いですが、それもみんなにとってすごくいい経験になっています。先日は名古屋オーシャンズに点を決められてしまったんですけど、それ以外はすごくよく守れているので、僕らの自信になっているなと感じています。
──昨年はシュートを打っても決められないことが多かった印象ですが、今年はすでに何点もゴールを決めています。去年との違いをどのように感じていますか?
まず、今年からポジションも、フィクソからアラに入る時間が増えたので、そこでの役割の違いもあります。今シーズンは今まで以上に得点にこだわって、シュート数や、前への意識を少し変えた部分はあります。なかなかまだ望んでいるようなゴールは取れていませんが、少しずつ得点に結びついているのかなと思います。
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