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作成日時:2019.06.16
更新日時:2019.06.22

【アジア王者を目指すキミたちへ】“清水世代”のエースが贈るメッセージ。「悔いを残さないように1試合を全力で」(清水和也)

PHOTO BY川嶋正隆

【U-20日本代表全力応援企画】アジア王者を目指すキミたちへ MESSAGE 3

2017年大会に臨んだU-20日本代表はまさに“清水世代”と言える。当時、弱冠二十歳の若者は“日本フットサル界の未来”として大きな期待を背負い、すでに日本代表としてプレーしていた。

そんな彼が中心となるU-20日本代表が発足。「自分がやらなければいけない」という強い気持ちを持って取り組み、迎えた本大会。「初代アジア王者に」を合言葉に自信を持って臨んだ大会だったが、アジアの壁は高くベスト8に終わった。

しかしその悔しさが清水を突き動かす。「あの悔しい気持ちを晴らすのはトップの舞台しかない」。その言葉を胸に今ではスペイン1部のエルポソ・ムルシアでプレーするなど、誰もが認めるエースへと成長を遂げようとしている。

そんな清水が自らの口で紡ぐ、当時の経験や思い。自分たちが成し遂げられなかったアジア王者を目指して戦う次の世代へのメッセージとは──。

ベスト8の責任、悔しさは今も残っている

──2017年大会前の自分を振り返るとどんな状況でしたか?

当時はU-20代表が発足し、A代表にも呼ばれていました。その中で、代表での活動とクラブチームでの活動の行き来が多く、個人的にも高いモチベーションでトレーニングできていましたね。チームの練習よりも、2つの代表の合宿に交互に行っていた印象が強く、激動の一年だったのでよく覚えています。

──極端に言うとクラブチームでの活動よりも代表での活動の方が長いような印象でしたよね?

本当に「何日間名古屋にいるんだろう」と思っていましたね(笑)。チームでの練習は本当に限られていて、その中でFリーグの試合に出場して、また代表合宿のために名古屋へ行く。A代表の合宿の次の週はU-20代表の合宿に行くような生活でした。

──それだけの経験を積んでいると、必然的にU-20代表ではエースとしての自覚もあったのでは?

U-20代表が発足すると聞いて、自分がそこに入れる世代ですし自分がやらなければいけないという気持ちはありました。むしろその気持ちだけでやっていた部分がありましたね。

──A代表では最年少として、U-20代表ではエースとして。それぞれ違った代表活動になったのではないですか?

(植松)晃都も同じようにA代表に呼ばれながらU-20代表でもプレーしていました。個人的にはA代表の良い雰囲気ややり方をU-20代表に落とし込んで行こうと思っていましたね。威張るとか極端なリーダーシップというよりも、みんなとコミュニケーションを取って、和気あいあいとやるスタンスを取り入れていました。

──エースとして臨んだ2017年大会ですが、チームとしてどういった意気込みで臨まれましたか?

優勝できるという自信はありました。過信ではなくて、自分たちが一番強いと思って挑んだ大会でした。

──その中で迎えた開幕戦はチャイニーズ・タイペイに4-0と大勝でした。ただ、初戦の難しさもあったのでは?

個人的には、想像以上に責任を背負ってしまいましたね。「自分が」と強く思い過ぎてしまった部分があったと思います。それでも中村充が先制点を獲ってくれたことで、チームも、自分も緊張がほぐれてきました。自分も2点獲れましたしね。ただ、初戦の難しさではないですが、自分たちから試合を難しくしてしまった印象はありました。

──続く第2戦のタジキスタン戦、第3戦のインドネシア戦は終盤に追いつかれての引き分けになりました。

その2試合は残り1分以内で同点にされる悲惨なゲームでした。自分たちもどうして良いかわからなくなった試合でしたね。そういう経験もなかったので、焦りがあったことを覚えています。

その2戦目と3戦目があの大会のターニングポイントですね。なぜあそこを守れなかったかと後悔もあります。自分たちに自信はあって、それはゴールを獲れるという部分での自信。ただ、獲られる経験はあまりなくて、2戦目も0-2から逆転してという展開でしたね。その中で、勝ち越した後の相手のパワープレーでちょっとした油断ではないですが、ハマってしまった印象です。(3戦目では)その教訓を生かせなかったという部分で、責任を感じました。

──崖っぷちで迎えたグループステージ最後のベトナム戦は3-1で勝利して決勝トーナメント進出を決めました。

ベトナム戦の前にA代表のブルーノ・ガルシア監督がロッカーで言った「仲間を信じて最後までやろう。自分一人で戦っているのではなく、みんなのために何ができるか」という言葉は今でも覚えていますね。僕らは勝たないと上に上がれない状況でなんとか勝つことができました。

──しかしベスト8とのイラク戦はチャンスがありながらも決めきれずに敗れて、初代アジア王者への挑戦は終わりました。

イラク戦は非常に悔しい負け方をしましたね。自分たちに取っては現実を突きつけられた敗戦でした。これが自分たちの現状なんだなと思った試合でした。組織としてしっかりとした目的、チームとしてやるべきことを全うした中でのゲームだったのですが、小さなところでのミスが響いたなと思います。

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