【U-20王者の座談会】Fリーグ選抜の5人は、アジアの頂でどんな景色を見たのか?
PHOTO BY舞野隼大
“心が2倍になった”、代表チームを救う追加点
──決勝は前半を2-0で折り返して、終盤までその点差で進んでいました。でも、34分に失点して1点差に。あのときの心境を覚えていますか?
畠山 あの失点は、僕がキックフェイントでかわされてしまいました。
髙橋 あのときの音量はすごかったなぁ。決められた瞬間、会場が揺れたよね(笑)。
田淵 そうそう。ボリュームがすごくて、頭が痛くなったから。
山田 あの雰囲気には焦ったよね。
畠山 いやいや、俺が一番焦ったから。やばい、終わった……って。
田淵 だけど(38分にパワープレー返しから自分の)ゴールが決まったときは「心倍(こころばい)」になった。
松川 こころばい? ダブルハート(笑)?
田淵 そう、ダブルハート。
──3-1とリードを戻したあのゴールは、チームに大きな勇気を与えた、と。
髙橋 もう、勝ちを確信しましたね。
田淵 いやいや、俺は何も思っていなかったよ。
松川 めちゃくちゃ喜んでいたじゃん(笑)。
田淵 でもまだわからなかったから。
髙橋 でも、絶対に守れるという感じはあったよね。
田淵 うん。“心が2倍になって”守れる自信はついた。
山田 2倍になった(笑)?
田淵 うん、2倍。4倍でもいいけど(笑)。とにかく自信になった。
──独特な表現ですね(笑)。そして試合終了の笛がなって、優勝が決まった。どうでしたか?
髙橋 とにかく、嬉しかった。
田淵 そのまま膝をついて泣いちゃいました。
畠山 その瞬間、僕はベンチでしたけど、めちゃくちゃ嬉しかったですね。
──表彰式では、畠山選手がトロフィーを掲げました。畠山キャプテンはどのようなリーダーでしたか?
髙橋 キャプテンのくせにちょっと天然(笑)。でもやっぱり、一番キャプテンを任せられる選手でしたね。
畠山 個人的には、キャプテンっていうタイプじゃないと思っていたんだけど……。
田淵 そういうキャプテンもいるよ。
畠山 何もしていなかったけどね。
田淵 代表のキャプテンって絶対に難しいと思う。これをやるっていう明確なものは、円陣の前に声を出すことだけ。そういう意味では、誰でも大丈夫だったよね(笑)。
山田 勇気はもちろん素晴らしかったけど、でも全員がキャプテンみたいな感じだったね。
田淵 うん、全員がキャプテンだった。仲間を信じて戦います!
松川 戦います(笑)?
田淵 戦いました(笑)!
──畠山選手は、キャプテンとして何か特別な意識はありましたか?
畠山 うーん……特に意識をしていませんでした。考え過ぎると自分のプレーもうまくいかなくなってしまうのではないかと思っていたので。
田淵 でも、落ち込んでいる人がいたら、声を掛けていたり。
畠山 今さっき話がありましたけど、やっぱりみんながキャプテンのようでしたし、何か特別なことを意識していたわけではないですね。
──では、この5人でMVPを決めるとしたら?
山田 なんだかんだで、網汰はすごかったと思う。
松川 いやいや……。
髙橋 最後に出てきて仕事をして帰る、みたいな(笑)。仕事人や。
田淵 でも、みんながMVP。
畠山 全部「みんな」でまとめようとする(笑)。
田淵 だってみんなゴール決めたじゃん。
松川 たしかに。
山田 1人がゴールを決めて勝った試合はなかったよね。
松川 でもMVPはラファ(田淵)じゃないかな。
田淵 いや、失点しなかったのはみんなでゴールを守ったから。そう考えるとみんなじゃないかな?
髙橋 いや、ラファで。
田淵 何もしてないよ(笑)。
山田 俺ら、(5試合で)失点数は4とか5だよね?
畠山 いや、7失点だよ(笑)。
山田 そんなに失点した? そうか、イランに4失点したからね。
畠山 でも、他国と比べても少なかったと思う。
山田 それで、何点取ったんだっけ?
松川 5試合で17点。
山田 うーん……ラファがすごく頑張ってくれたおかげだし、やっぱりラファかな。
田淵 みんな頑張ったよ。
髙橋 みんな頑張ったけども(笑)。
松川 やっぱり、めちゃくちゃ止めてくれたからね。
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2025.03.31