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作成日時:2022.09.19
更新日時:2022.09.20

【代表戦後コメント】ブラジル戦を糧に、もう一度アジア王者を目指す内村俊太。「ロッカールームの写真が8年前のまま止まっているんです。だから、写真を変えたい」

PHOTO BY勝又寛晃

9月18日、愛知県・スカイホール豊田で日本代表vsブラジル代表の国際親善試合が行われ、日本は1-5で敗戦した。

日本代表に3年ぶりに招集され、ブラジルと2試合を戦った内村はそこで何を感じたのか。

また、代表チームはこれからクウェートへ向かいAFCフットサルアジアカップを戦う。8年前に優勝したメンバーで、今も代表に選ばれているのは吉川智貴と内村のみ。当時を知る内村は、もう一度アジア王者に輝くためにどんな思いでいるのか。ブラジル戦を振り返ってもらうと共に、アジアカップへの意気込みを聞いた。

取材=川嶋正隆
編集=舞野隼大

ブラジル戦を学びとして、成長していくことが大事

──約3年ぶりの日本代表選手で、ブラジル代表と2試合を戦いましたが、いかがでしたか?

率直に言えばもっと試合に絡みたかったというのが本音です。1試合目の失点シーンで、もっとこうしていればよかったなとか、そういう思いはありますがそこはもう仕方がないですね。

──3年前と比べると年齢も重ねてもうベテラン選手の域だと思います。代表チームが若返りを図っている中で、いきなり招集されたことについては?

素直に嬉しく思っています。それはチームでのパフォーマンスを見てもらっての結果。だからこそ僕に求められているのは、ピヴォに対するディフェンスの部分だと思います。あとはアップダウンの部分。そこがストロングポイントなので、もっと出していきたいですし、出さないといけないと思っています。

──特に招集前のフウガドールすみだ戦では、清水和也とのマッチアップが印象的でした。今季のFリーグでも素晴らしい活躍を見せているだけに、一戦目、ピトに反転シュートを許した場面は驚きでした。

あそこは連係ミスがあって、ワンテンポ遅れてやられました。でもあの場面のように、1つのミスで点を取られてしまう。それはFリーグでは経験できないことで、でも世界ではそういう戦いが当たり前にある。フィクソとしてやられてはいけない場面だったなと、改めて感じましたね。

振り返ってみても上手かったなという印象ですね。強さもありましたし。それはピト選手だけでなく、みんなうまい選手ばかりでした。日本のディフェンス強度はかなり高かったと思いますが、ハメられない。それぞれの選手が緩急をうまく使っている感じ。ダッシュしたかと思えば、それほど動かずにポジショニングだけで日本の守備をずらしてくる。これが世界レベルだなと。

──特に第2戦では日本が連動した前プレを見せる場面が多かったですが、それでもブラジルは余裕を持ってボール回している印象でした。

まだ余裕がありましたよね。印象的には、スペインに1-9で敗れた時(2019年12月3日に行われたスペインとの国際親善試合)の感覚と同じでしたね。決して悪くない強度なのに、なぜかかわされる。スペインにしてもブラジルにしても、本当に上手いなと感じた試合でしたね。

昔、ミゲル(ロドリゴ監督)がiPhoneに例えて言っていましたけど、スペインやブラジルのアップデートは本当にすごい。もちろん映像として、彼らがどういう戦いをするのかみていますが、実際にプレーして、体感すると全く違う。もっとすごい。これが世界ですよね。

──ただ、今回の目的はアジアカップで8年ぶりの王座を取り返すことです。その前に世界に挑戦できたことはよかった?

学びになりましたし、もっとこの試合から学ばないといけないですね。それをすぐに実戦で生かせるチャンスがあります。残念ながら今回の新善試合は2試合とも同じ結果になりましたが、この敗戦から修正して次の大会に臨みたいですね。

アジアでの戦いだと、ブラジル戦とは逆の展開になると思っています。僕たちがボールを持って主導権を握るはず。そこで力を見せつけて勝たなければいけないですね。

──内村選手といえば、8年前の大会で優勝カップを掲げました。

もう智貴と僕だけみたいですね(笑)。あの時のメンバーからだいぶ変わりましたね。

──気がつけばもう30歳を過ぎました(笑)。代表での立ち位置はどうでしょう?ベテランの立ち振る舞い?

いや(笑)。今も昔も変わらず、うまく潤滑油のようにやってますよ。このチームはみんな仲良いですし、雰囲気もいいですね。ただ、8年前のチームも雰囲気が良くて、一体感は今以上にありましたね。

──そういう空気感、一体感など前回の優勝を知っていることでチームに還元できることは多い?

そうですね、だからこそもっとプレー面でも絡みたいですね。そこだけ。今日はプレーしている感覚はよかっただけに、もっと出場できていれば相手を止められる自信もありました。

──内村選手はフィクソがメインだと思いますが、今日の試合ではアルトゥールがピトをマークする関係で、アラでのプレーでした。さらにプレーの流れでは前線でピヴォっぽく相手を背負うなど様々な役割をこなしている印象です。

一番の役割はフィクソに入ってディフェンスで抑えるところです。ただ、今日は僕や智貴、(金澤)空はスピードがあってプレスをかけられるので、基本的にアラでプレーしました。いろいろな使い方を考えてもらっていると思います。

元々はアラでプレーしていましたし、ピヴォをやっているわけじゃないですけど、そこもできる。チームに合わせてプレーできると思っています。

──この2試合で高い勉強代を払いました。この悔しさはアジア王座奪還で晴らしたいですね。

当然ですが目指しているのは、優勝です。そのためには今日や前回のブラジル戦を学びとして、これからさらに成長していくことが大事です。今も成長を続けていますし、そのスピードを落とすことなく、アジアで優勝したいと思います。

先日JFAの夢フィールドでトレーニングをしたんですけど、ロッカールームに飾られている写真が、8年前のまま止まっているんですよ。あの時以来、優勝していないから。だから「写真を変えたいねって」みんなで話しています。

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