更新日時:2023.12.18
【日本代表】ダブル守護神・黒本ギレルメ、アルゼンチン相手に“2連続ドロー”を糧にアジアカップ、W杯へ「2024年は、僕の人生において一番大事な1年になる」
PHOTO BY本田好伸
日本代表は12月17日、北海道・帯広市総合体育館でアルゼンチン代表との国際親善試合第2戦に臨み、第1戦に続いて1-1で引き分けた。先制を許しながらも終盤に追いつき、元ワールドカップ王者に2試合を通して“負けなかった”。
第1戦は試合終盤、残り5分から、そして第2戦は先発でゴールを守った木暮ジャパンの“ダブル守護神”黒本ギレルメ。この試合で早くも代表キャップ22試合目を数えた攻撃的GKは、プレス回避の選択肢として、あるいは押し上げた際の“もう一人のFP”として、守ってはまさに鉄壁の守備神として、日本を大いに盛り立てた。
黒本はこの2試合を終え、なにを感じたのか。ミックスゾーンに笑顔で現れた黒本に話を聞いた。
PP返しをブロックされてウザかった(笑)
──ナイスゲームでした。見ているほうもしびれる展開でした。疲労感はどうですか?
ちょっとね。体よりメンタル、頭が疲れるね。第1戦と同じ結果で少し悔しいですけど、相手も素晴らしいチームなので。もちろん勝ちたかったけど、世界一のチームと2試合とも引き分けたのは素晴らしい結果です。
──その結果の大きな要因となったのが黒本選手のセーブです。
今日は、第1戦よりプレスにくると思っていた通りめちゃくちゃ強くきていました。ブラジルのように、個人がうまく、シュートがいっぱいくるわけではなく、少ないということはわかっていた。ただ、難しいシーンは多いので、前半は絶対に無失点で、後半はどうなるかわからないけど(集中しよう)というメンタリティでやっていました。
──シュート本数はそこまで打たれてないですよね。
前半はほとんど(危ない場面は)なかった(アルゼンチンのシュート本数は、第1戦は16本、第2戦は19本。日本は11本、20本)。セービングしたのを思い出せないくらい。
──でも後半は一気にきました。
そうだね。前半は相手のプレスとこちらのプレス回避があり、お互いにチャンスが少なかった。後半、こちらは入りはあまりよくなかったけど、そのあと、第1戦よりはいい試合ができたと思います。
──アルゼンチンもそうですし、日本の状態も上がった印象です。スピード感のある試合のなか、日本があの相手と互角にやれたことは大きな自信にもなったのではないかと思います。
アルゼンチンは守備が堅く、そこまで走るチームではありません。それでもタイミングやボール回しが上手ですけど。僕たちは、体格差では劣るけど、相手よりも絶対に走る。それで、相手の守備がいいなかでも、やってきたことがかなりできていました。本当に、素晴らしい守備と、ボールを持てたこと。それに、おそらく相手よりもチャンスを多くつくれていたと思います。いい感じでしたね。
──第1戦はフィウーザ・ファビオ選手が先発して、黒本選手が途中から。第2戦は黒本選手が最後までピッチに立ちました。その出場のバランスやタイミングはどのように?
たぶん、試合の展開を考えた時、今日は第1戦より相手がもっとプレスをかけてくるので、そこでボールを持つために(自分が先発したの)だと思います。
──GKの選択肢をより使える。
プレス回避のところで、プレスに対してピヴォを使って相手陣内にボールを運ぶための選択だったのかなと。
──今は黒本選手とフィウーザ選手、2人の関係が代表チームにとって大きな存在になっています。
もちろん、お互いに試合に出たい。でも、日本代表としては1試合1試合、相手も、こちらの状況も変わります。だから、出たいけど出られないことは当然あります。2人はめっちゃ仲良しだからね。「この試合はフィウーザが最初から出るよ」っていう話もけっこうしているからね。誰が出ても、お互いに絶対に応援しているから。
第1戦ももっと出たかったし、もし2失点とかしたら、もう少し早く出るのはわかっていたけど、それでも、2点目は取られてほしくない。出たいけど、決められてほしくない。それはすごく大事なこと。木暮さんはいつも「2人とも信頼している」と言ってくれている。でも、試合のプランや相手の状態でGKをどうするかを考えないといけない。(そういう選択肢をもてることが)それはいいことだと思う。
──最後、パワープレー返しが決まっていたらアツかったですね。
そうね。相手がウザかったね(笑)。日本だったらあれ、ファウルになるから。でも、相手がデカかったね。いや、惜しかった。悔しいけど、それも学ばないといけないね、そういうことがあるから。
でも、Fリーグだとそんなになくて。GKがキャッチしたらみんな(守備に)走るから。GKを邪魔しきれなくて、簡単に打てちゃうから。それはもっとやったほうがいいと思う。カードをもらっても、失点するよりいいと思うし。
──今年はいろいろあった1年だと思います。結婚も今年ですね。おめでとうございます!
そうそう、ありがとうございます(笑)。
──2023年、どうでしたか?
めちゃいいこともあったし、最悪なこともあった。イレギュラーな1年だったけどね。結局、いい年だったと思う。
──良くないことも。
骨折ね。(2023年4月の)モロッコ遠征で骨折して、そこから移籍して、怪我した状態だったから、チームにも合流してフィットするのにも時間がかかってしまった。リーグ戦もあまりいい結果ではなく。2カ月前は本当に苦しかった。それでも今は、いいわけではないけど連勝した状態でここを迎えられたから、1年の終わりが悪くなかった。だから、いい年だったのかなと思うよ。
──来年はアジアカップと、そしてワールドカップがあります。
そうだね。
──そこに向かっていく。
来年は、僕の人生において一番大事な1年になるんじゃないかな。みんな、W杯に絶対に行きたいという気持ちがあるから、来年のアジアカップは、(優勝した2022年の)前回よりもっといい結果になると思う。だからまた優勝して、W杯に行けたらいいなと思います。まずはアジアカップで準決勝まで。その後、優勝を目指して。頑張ります。
▼ 関連リンク ▼
- 【日本代表】森保一監督がフットサル日本代表の親善試合を視察。スピーディーな展開とクオリティを絶賛「フルコートで発揮できれば世界で勝てる」
- 【日本代表】2試合連続で元世界王者アルゼンチンに追いつく!“小さな巨人”堤優太が魂の同点弾
- 【日本代表】元世界王者を相手にもっとも食らいついた男・堤優太「大谷翔平選手の『憧れるのをやめましょう』はすごく共感できる。目の前の相手に負けない気持ちで臨んだ」
- 【記者会見】木暮ジャパンとの2戦連続ドローを評価するアルゼンチン、マティアス・ルクイス監督「日本代表の選手たちはクラブチーム並みに関係を構築できている」
- 【記者会見】元世界王者に2試合連続ドロー「2023年の最後のゲームとしていい戦いができた」木暮賢一郎監督はチームのクオリティに一定の評価
▼ 関連記事 ▼
-
2024.11.23
-
2024.11.23
-
2024.11.23
-
2024.11.23
-
2024.11.22