更新日時:2025.07.08
「転職先も決まっていた」引退を決意したアタッカーはなぜピッチに戻ったのか?しながわ・笠篤史、“やめることをやめて”挑む優勝への覚悟【F1第6節|インタビュー/しながわ】
PHOTO BY伊藤千梅
【メットライフ生命Fリーグ2025-26シーズン ディビジョン1】しながわシティ 5-3 フウガドールすみだ(7月4日/駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場)
7月4日、メットライフ生命Fリーグ2025-26シーズン ディビジョン1の第6節が行われ、しながわシティとフウガドールすみだが対戦。しながわが5-3で勝利を収めた。
第2ピリオド立ち上がり、2-2の同点の場面でテクニカルなゴールを決めたのが、しながわの笠篤史だ。中村充とのワンツーで裏をとると、プレッシャーにきた相手をシャペウで抜き去る。ボールが落ちるタイミングでボレーシュートを放つと、ゴール左隅に沈めた。
今シーズンもチームの主軸として活躍する笠だが、昨シーズンの終盤には引退を決意し、転職先まで決めていた。それでも、再びこのピッチに戻ってくることを選んだのはなぜか。試合後、しながわでプレーする覚悟を聞いた。
気持ちを冷静に保てていた
──今日の試合を振り返っていかがですか。
立ち上がりはピヴォがいい感じでボールを受けられるシーンが少なく、ディフェンスから組み立てていくような形になりました。そのなかでもあまりイライラせずに落ち着いていられたと思います。
普段は他のポジションもやるんですけど、今日はピヴォに入っていたので、1試合のなかで1点を取ろうと思っていました。気持ちを冷静に保ちながら試合を進められたかな、と。第2ピリオドのチャンスで、しっかりと点が取れて良かったと思います。
──鮮やかな得点でしたね。
良かったですよね(笑)。ワンツーはけっこう狙っていたんですよ。(中村)充がいいパスを出してくれるのがわかっていましたし、いいタイミングで相手も来てくれたので、イメージ通りのトラップからのシュートですごく良かったと思います。
──セカンドセットの高溝黎磨選手と中村選手は今シーズン新加入の選手ですが、プレーしていていかがですか?
練習から同じセットでやることが多いですし、2人とも技術が高いので、合わせていくのはそんなに大変ではないです。左利きがいないのは少し難しいポイントですけど、個の能力が高いので、そんなにやりづらさは感じていません。
(高溝)黎磨さんが先輩で、充は同い年なので、やりやすいです。たくさんしゃべって、コミュニケーションを取っていると思います。
初心に立ち返って下した決断
──昨シーズン、引退も視野に入れていたと思いますが、どんな気持ちで今シーズンの継続を決めたのでしょうか?
そうですね。実際に就職活動をしていて、転職先も決まっていました。それでも残ったのは、一番はしながわで優勝したいという思いがありました。
昨シーズン、もちろん課題は多かったですが、本当にギリギリで優勝できそうでしたし、すごくいいチームだなと思っていました。今シーズンも、クラブが「優勝だけを目指していく」と契約のタイミングで提示してくれましたし、辞めるのはもったいないなと思ったのがあります。
覚悟をもって、今シーズン優勝できたらと思って続けることにしました。
──優勝をもう一度目指したい、と。
そうですね。Fリーグは優勝を経験しているチームが少ないなかで、その経験がしたいと思ったのがあります。
あとは、僕は大学までサッカーをしていたんですけど、フットサルを始めた理由は、日本代表になりたいし、Fリーグで優勝したい、得点王も取りたいと思い描いていたからです。そのチャンスが少しでもある以上、続けるべきだなと思って、初心に立ち返って続ける決断をしました。
かなり悩みましたけど、でもクラブとしても必要としてくれていた部分はあったので、そこは後押しになりました。あとは、フットサルが好きだったので。後悔はしていないです。
──改めて今シーズンの意気込みをお願いします。
昨シーズンは、初めて2ケタ得点が途絶えました。フットサルはどのポジションでも点を取れるスポーツではありますが、フィクソやアラといったいろいろなポジションをやるなかで「監督から与えられたタスクを遂行すればいい」と少し弱気な考えもあったと思います。
でも今シーズンは2年目なので、監督のやり方も理解しつつ、今日みたいにゴールを決めるといった自分の個性を出すプレーを増やして、チームとしても優勝できたらなと思っています。
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