立川・府中アスレティックＦＣは23日、多摩大学体育会フットサル部に所属する南雲颯太の加入を発表。2020/2021シーズンは、特別指定選手ではなくトップ登録した上で、両チームでプレーする。

フットサル歴11年の21歳が満を持してＦリーグへ

「将来はＦリーガーになりたいです」

そう話していたのは、南雲がFOOTBOZE FUTSAL（フットボウズ・フットサル）でプレーしていた11歳のときのこと。「逸見勝利ラファエルやリカルジーニョが好きで、名古屋オーシャンズの試合ばかり見ています」と目を輝かせていた少年は、10年の歳月を経て憧れの舞台にたどり着いた。

当時からひときわ小柄だったものの、スケールの大きさが際立っていた。パス、ドリブル、シュートなど、一つひとつのプレーの精度やアイデアもさることながら、状況判断に優れ、チームに不可欠な選手。6歳でサッカーを始めて、小学4年生からはフットサル専門育成クラブのフットボウズで並行してプレーしていたが、中学、高校、大学ではフットサルに専念することを決めて、着実にレベルアップしていった。

全日本ユース（U-18）フットサル選手権大会では、初出場したチームを決勝へと導き、後にシュライカー大阪に加入した齋藤日向らを擁する帝京長岡高校と壮絶なゲームを披露。多摩大進学後は、U-19日本代表候補にも選ばれ、2019年の全日本大学フットサル大会では3年生でキャプテンマークを巻いて、悲願の全国制覇を成し遂げた。フットサルIQが高く、ピッチで今何をすべきかを的確に捉える。あらゆるプレーにおいて違いを生み出すことができる「大学ナンバーワン」の呼び声が高い選手だ。

清水和也を筆頭に、何人ものＦリーガーを輩出してきたフットボウズの代表であり監督である豊田幸夫氏も、南雲に対して最上級の賛辞を送る。

「颯太の武器は、コート内の状況を瞬時に読み取る力。これまで多くの選手を見てきましたが、日本代表やすべてのＦリーガーのなかでも、颯太の状況認知力は突出していると感じています。状況認知から選択という流れのエラーがゼロ。その力を、いつ、どこでも、どんなに大舞台でも、出し続けられる。指導者からすると、『もっとガムシャラにやってほしい』とか『ギアを上げて戦ってほしい』という場面でも淡々としていて、いつもと変わらないのですが、それが彼の最大の強さなのかなと。9年間、指導していましたが、緊張している彼を見たことは一度もありません。監督やチームにとって計算できる最強の選手であり、最高級の潤滑油です」

21歳ながら、フットサル歴は11年。フットサルを取り巻く環境において、若手が“早すぎる引退”を選んでしまう現実もあるなかで、彼は小さい頃から夢見た世界に飛び込む。トップ選手の背中を見てきた南雲は、その意味で、次の世代の子どもたちに、自らのプレーで夢を与える希望となっていけるかもしれない。

「今までお世話になった方々へ感謝の気持ちを忘れずに、Ｆリーグの舞台で活躍する姿を見せられるよう頑張ります。そして一早くこのチームの力になれるよう努力します」

新シーズンもう一度、大学日本一を目指すために、多摩大とＦリーグの二足の草鞋で戦うことを決めた。周囲から大きな期待を集める南雲は、日本最高峰の舞台で輝きを放つことができるか──。

以下、クラブのリリース。

この度、多摩大学体育会フットサル部に所属する 南雲颯太 選手が、2020/2021シーズンより立川・府中アスレティックFCに加入することが決定しましたのでお知らせ致します。なお、南雲選手は引き続き多摩大学体育会フットサル部にも在籍することになっています。
南雲選手の多摩大学体育会フットサル部と立川・府中アスレティックFCの2チームへの同時登録については、それぞれのチームが2020/2021シーズンに参加を予定している大会の規定を正式に満たしております。

【南雲颯太選手コメント】
この度、立川・府中アスレティックFCに入団することになりました、多摩大学の南雲颯太です。
今までお世話になった方々へ感謝の気持ちを忘れずに、Fリーグの舞台で活躍する姿を見せられるよう頑張ります。そして一早くこのチームの力になれるよう努力します。
応援の方よろしくお願いします。

■南雲 颯太（なぐも そうた）
◆ポジション：FP
◆生年月日：1999月3月19日
◆年齢：21歳
◆身長/体重：170cm/61kg
◆出身地：東京都
◆経歴：桜丘FC － FOOTBOZE FUTSAL U-12 － FOOTBOZE FUTSAL U-15 － FOOTBOZE FUTSAL U-18 － 多摩大学体育会フットサル部