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作成日時:2026.08.20
更新日時:2026.08.20

【日本女子代表】高校1年生、真夏の大冒険。15歳で宇部から単独初招集、田中夢が食らいついた5日間「フットサルを学んでるなって」

PHOTO BY本田好伸

フットサル日本女子代表は、8月5日から8月9日にかけて国内トレーニングキャンプを実施。2025年12月のFIFAフットサル女子ワールドカップを終え、須賀雄大監督が退任し、今年5月に上久保仁貴監督、加藤正美コーチの就任を発表した。

新チームへと移行して最初となる今回の活動には19名が選出。昨シーズン、わずか14歳で女子Fリーグデビューを果たした田中夢は、初めてのメンバー入りとなった。初日から屈託のない笑顔で周囲を引きつけ、先輩たちと次々にコミュニケーションを図る姿は、あどけなさと頼もしさを感じさせた。

8日に行われた立川アスレティックFCレディースとのトレーニングマッチでは、中島菜月、中村美月、中村みづきとセットを組んで出場。試合序盤はどこか自信ない表情を浮かべ、動き方に戸惑いを見せるシーンもあったものの、終盤には積極性が増し、ピヴォとして貪欲に得点を狙う姿を見せていた。

田中が良いプレーをすると、「夢!ナイス!」とベンチからの声援が一際大きくなる。温かい雰囲気に包まれながらも、実力者ぞろいの先輩たちに食らいついて“フットサルを学んだ”5日間はどんなものだったのか。

合宿初日の5日と8日のトレーニングマッチ後に話を聞いた。

取材・文=溝口優輝

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ついていくのに必死でした

──初招集されて率直にどんな気持ちですか?

率直に嬉しかったですし、とても驚きました!「びっくり!」ってなりました。

──最初の練習はどうでしたか?

フットサルを学んでるなって。いつもミネルバ(宇部)では、サッカーと一緒に学んでいるので、フットサルの中にサッカーの要素が混ざることもあります。周りの先輩方は、質も強度も高くて、ついていくのに必死でした。

──「すごい!」と思った選手はいましたか?

試合形式や対人練習はまだやっていないので、みんなすごいなって思います。(山川)里佳子さんがいろいろ教えてくれるので、めちゃくちゃありがたいなと思っています!

──山川選手とは同部屋と聞きました。

そうです(笑)。里佳子さんは14歳の時に代表に招集されたらしく、「めちゃくちゃ気持ちわかるよ」と言ってもらえて、ちょっと安心しました(笑)。

──心強いお姉さんみたいな感じですか?

お母さんみたいに「ほら行くよ!」って言われるので、「はい!」ってついて行ってます(笑)。

──クラブの人たちから何かアドバイスはありましたか?

廣田(晃子、ミネルバ宇部代表)さんから、「レベルが高いから困ることばかりだと思うけど、失うものは何もないし、どんどん聞いて、いっぱい成長して、たくさん楽しんで頑張ってね」って言われました。

──この夏、宇部にはW杯経験者の須藤優理亜選手やウクライナ代表のアナ・シュルハ選手などが移籍してきました。一緒にプレーしていていかがですか?

須藤選手は、海外でプレーされていたので、日本とは違う指示のテキパキさがあって。「もうちょっとこうしてほしい」とかじゃなくて、「もっとこう!」って強く言われるから、それで体が勝手に動いちゃうけど、その指示が正しいことが多くて。負けないような守備は、須藤さんから構築されているんだなと思っています。

アナや他の外国人選手は、プレーもうまいですが、(言語が違うので)コミュニケーションが取れないなかでもプレーしないといけないので、そこは勉強になります。

──後ろから飛んでくる須藤選手のコーチングはすごい?

そうですね、ありがたいです。緊張感もあって(笑)。

──正直、サッカーとフットサルはどちらが好きですか?

サッカーもサッカーで楽しさはあるし、フットサルもフットサルでたくさんボールに触れることができて、シュートもたくさん打てるし、ゲーム展開が早くて楽しいです。サッカーは「この1点!」って感じで(笑)。どっちにもそれぞれの楽しさがあって、大学に行って、どちらを選ぶか迷ってしまいそうです(笑)。そろそろ決めないといけないんですけど。

──どっちもやるという選択肢も?

それもありですね(笑)。

──今の目標は何ですか?

今、サッカーもフットサルも両方やっているので、できたら両方の日本代表になりたいですが、まだまだ夢は遠いので。相手選手やお客さんからの“圧”というか、「こいつを止めないと……」みたいに“強風”を吹かせられる選手になりたいなと思います。もし負けていたとしても、「どうにかしてくれる」って頼られる存在になりたいなと思います!

いっぱい聞き回って、体現しやすくなった

トレーニングも3日間を終えて迎えた8日、立川アスレティックFCレディースとのトレーニングマッチ後に再び話を聞いた。

──試合を終えていかがですか?

自分の強みであるボールキープでは8割くらいロストしちゃったんですけど、少しでもボールを受けられたので自信につながったかなと思います。

──必死に考えながらプレーしているように見えました。

攻撃では、ピヴォということもあってイメージしやすいですが、レベルが高くて。いつもより考えることが多かったんですけど、練習中にイワさん(岩崎裕加)がいろいろ教えてくれて、感覚的というか、“反応”でプレーできました。守備は、あまり力を入れていなかったこともあって、全然話からなくて、同じセットの人にいっぱいカバーしてもらいました。

──今日組んだ中島菜月選手、中村美月選手、中村みづき選手とのセットはいかがでしたか?

中村みづき選手と中村美月選手はサッカー経験者というのもあって、イメージが合います。いっぱいカバーしてもらっていますけど、共感し合えるというか、意思疎通ができてやりやすいなと思っています。

──攻撃面ではサッカーでのプレーと似たような感覚も?

フォワードをやっていてゴールへのイメージをもっているので、フットサルのほうがコートはちっちゃいですけど、自分としては攻撃のほうがやりやすいなと思います。

──守備ではどういったところに気をつけていますか?

3日間の練習で言われたのが、ワンツーされる時に、サッカーの時は“二度追い”をしなきゃいけないけど、フットサルは裏を取られたら終わりなので、ブロックをかけないといけないというのがあって……。ブロックがうまくできないので、いつも裏抜けされて、みんなにちょっと迷惑をかけちゃっています……。

──サッカーより責任感が強い?

責任感!強いです!サッカーだったら最悪、走れば間に合うけど、フットサルだったら一瞬でやられちゃうから責任感は強いです。

──「フットサルを学んだ」このトレーニングキャンプはいかがでしたか?

1日目は知らない単語ばかりいっぱい出てきて、「え、なにー?」となっていたんですけど、みんなにいっぱい聞いて回ったので、頭にスッと入りやすくなりました。アドバイスされた時もイメージしやすくなって、体現しやすくなったかなと思います。

──「ピサーダ」とか?

そうそう(笑)。みんなに「これなんですか?」って聞いて。みんな優しく教えてくれて、ありがとうございますって(笑)。

──改めて印象に残った選手はいましたか?

しぶさん(澁川鈴菜)のプレーがずっとエグくて。今シーズン、バルドラール浦安ラス・ボニータス戦で一度、戦いました。イワさんや里佳子さんもキープ力に優れているけど、しぶさんは、サッカーでも使えるボールの置き方をするなと。プレーのアクションの仕方はいろんな人を参考にしているけど、ブロックの仕方や個人技などはしぶさんに聞いています。

──今回の活動で得た学びをどう生かしていきたいですか?

フットサルを学ぶという良い機会をいただいているので、少しでも吸収してチームの強化につなげたいです。身をもって体感してきた自分が、「これ、サッカーで生きるよ!」って伝えられたらなと。最近、フットサルからサッカーの試合に戻った時に、守備の場面で“フットサルをしすぎて”怒られちゃったりするんですけど……(笑)。

フットサルで学んだことを、フットサルをしている選手だけじゃなくて、サッカーしかしていない選手にも伝えることで、さらに上のレベルでプレーができたらいいなと思います。

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