更新日時:2026.08.20
【日本女子代表】W杯メンバー入りに届かなかったフィクソ・伊藤沙世が世界レベルを痛感した複雑な感情「立てない悔しさがありつつも、自分には足りないものが多すぎた」

PHOTO BY本田好伸
フットサル日本女子代表は、8月5日から8月9日にかけて国内トレーニングキャンプを実施。2025年12月のFIFAフットサル女子ワールドカップを終え、須賀雄大監督が退任し、今年5月に上久保仁貴監督、加藤正美コーチの就任を発表した。
新チームへと移行して最初となる今回の活動には19名が選出。2024年11月に負傷し、傷が癒えて迎えた2025年4月に選ばれながらも、5月のアジアカップのメンバー入りは果たせず。W杯を前に再びの負傷から代表復帰したものの、最終メンバーに伊藤の名前は呼ばれなかった。失意のなかで観戦したW杯は、「立ちたいけど、足りない」と複雑な想いだったという。
苦難を乗り越えてスタートした今回の合宿では、8日の立川アスレティックFCレディースとのトレーニングマッチで澁川鈴菜、塚本夏希、尾川奈穂と1stセットに入り、持ち味の1対1の強さで後方からチームを支えるだけでなく、強烈なシュートで相手ゴールを脅かし、攻守に存在感を放った。
伊藤はこの先、どんなプレーを見せていくのか。8日のトレーニングマッチ後に話を聞いた。
取材・文=本田好伸
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当たり前のことを当たり前にする

──ここまでの合宿はいかがですか?
すごく良い雰囲気と良い環境でやらせてもらい本当にありがたく思いますし、みんなともたくさんコミュニケーションが取れているのですごく充実しています。
──ワールドカップが終わって新チームとなりました。この活動にはどのような想いがありますか?
私は次のW杯を目指しているので、Fリーグを戦いながらチームが勝つことはもちろんですけど、それに加えてどうやって世界と戦っていくのか、体づくりやプレーについても考えながらここまで取り組んできました。
そうやって準備してきた結果、ここに呼ばれたのはうれしいですが、ここからだなという気持ちです。
──昨年は、伊藤選手にとっても大きな1年だったのではないでしょうか。アジアカップ前に負傷した影響もありメンバーに入れず、W杯の出場もかないませんでした。
W杯は正直に、「頑張れ!」って応援する気持ちで見ていたのですが、やっぱり自分もその舞台に立ちたいという想いが強かったですね。

──どのように気持ちを整理していたのでしょうか。
代表チームが戦っている姿を見ながら、自分もそこに立ちたかったし、でも立ってはいないわけで……難しい気持ちもありました。でも、(準々決勝の)ブラジル戦は、本当にそこに立てない悔しさがありつつも、自分には足りないものが多すぎるともすごく感じました。
──それは例えばどんなところでしょうか。
スピードも技術もとにかくすごくて……、すべてが足りないなと。
──自分がピッチにいたらどうしていたかというイメージももちながら見ていたのでしょうか?
そうですね。もしこの舞台に立っていたら自分にはどんなプレーができるんだろうかはちょっと想像しながら見ていました。

──チームメートの高橋京花選手がW杯から帰ってきて、チームに伝えてくれたこともありますか?
そうですね。ただ「とにかくうまいし、速いし、余裕がある」と(苦笑)。「ボールを持っている時に余裕があって、本当にレベル差があった」ということを伝えてもらったので、その差をどうやって埋めるかを考えてきました。
──高橋選手はリーグ戦で実際にギアが一つ上がったようにも見えますがいかがですか?
いつも本当にすごいドリブルをしてくれるなと頼ってしまいますし、ピヴォ当てなどのレパートリーも増えている感じがします。でも、もっと頑張ってほしいですね。京花ならできると思います(笑)。
ただ、その背中に引っ張られるというか、それを見ながら、追いつき、追い越せという感じはあります。もちろん、プレースタイルもポジションも違いますし、あのプレースタイルは難しいんですけど、そこを目指す気持ち。体の使い方などもそうですけど、もっとやらなきゃなと思っています。
──上久保仁貴監督はライバルチームの指揮官で、加藤正美コーチは自チームの指揮官という部分はどうですか?
コミュニケーションは取りやすいですね。よく知っている人なのでわからないことがあればすごく聞きやすくて、そうした意味でも良い環境だなと思います。
──けっこうコミュニケーションを取りますか?
わからないことがあればすぐ聞きに行きます。それに、選手同士も普段は一緒にやっていない選手も多いですけど、ポジションやセットに関係なく、みんなでいろんなことを話しているので良い雰囲気ですね。

──初めて話すような選手も多いですか?
例えば、(塚本)夏希ちゃんは同い年ですけどあまりしゃべったことがなかったのでよく話しますね。でも本当に誰とでも話すというか、その時に隣にいる人とかなり話し込んでいます。
──15歳の田中夢選手はどうですか?
かわいいです(笑)。チームから一人で、15歳ながらに飛び込んでくるのは本当にすごいなと。こちらも少しでも心の支えになればいいなと思ってよく話しかけています。
──この先、どんなところを見せていきたいですか?
フィクソとして、相手ピヴォとの1対1で負けないことや、後ろから声を出すなど、まずは当たり前のことを当たり前にできるようにすること。それとみんなとコミュニケーションを取ることが本当に大事だと思っています。


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