更新日時:2022.10.06
【アジアカップ|前日取材】明日から始まるノックアウトステージ。大会は折り返しを迎え、木暮賢一郎監督は「みんな前向きに、すごいスピードで成長してくれている」
PHOTO BY勝又寛晃
3日、AFCフットサルアジアカップの準々決勝を翌日に控える日本代表の木暮賢一郎監督が前日会見に臨んだ。
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グループステージの全日程を終え、日本は2勝1敗で1位通過。初戦のサウジアラビア戦では1-2とまさかの敗戦を喫してしまったが、そこからなんとか立て直すことに成功してみせた。
明日からは、ノックアウトステージでの戦いがスタートする。対戦相手は、高橋健介コーチが昨年まで監督として指揮を執っていたインドネシア。
木暮監督はここまでの3試合をどう総括し、これから始まる今まで以上に厳しくなるであろう戦いをどのように見据えているのだろうか。
相手がどこであっても、40分間やるべきことをやり続ける
──昨日でグループリーグを終えて、今日は大会に入って初めてオフになったということですが。
ホテルのジムでリカバリーはしますが、ピッチを使わない、ボールを蹴らないのは初めてです。チャンピオンになることを考えた時に、今日ぐらいしか純粋なリカバリーができる日はないなと考えて決断しました。
──大会前の予想以上に、精神的にも肉体的にもタフな3試合になったと思います。
おそらく、肉体的なものよりも精神的なものが大きいとは思います。初戦を負けたこともそうですし、我々のチームは初めてアジアカップに出場する選手も多いので、なおさらでしょう。FリーグにはFリーグのカルチャーがあって、アジアにはアジアのカルチャーがあります。同じフットサルであっても、考え方、スタイル、選手の特徴は変わってきます。新しい選手たちはそういうところを感じているのかなと思います。
UAEやサウジアラビアとは練習試合もしましたが、公式戦とはまた雰囲気もプレッシャーも違います。私自身も選手時代に味わったことですが、国内では通用しているプレーがうまくいかないとか、レフェリングの基準が違うとか、あとはホテルでの生活や現地での食事など、たくさんのものに適応していかなければいけません。ただ、みんな前向きに取り組んでくれていますし、すごいスピードで成長してくれているなと感じます。
──準々決勝で対戦するインドネシア代表は高橋健介コーチにとっての古巣です。その点は日本代表にとってアドバンテージになりますか?
我々には優秀なスタッフがいるので、各国の動向は常にキャッチしています。インドネシアに限らず、そこは日本代表チームのメリットです。ただ、インドネシアに関しては高橋コーチが率いていた分、他の国とやるよりは、より具体的な情報を持っているのは確かです。大事なことは、ピッチの上でそうした分析や対策を理解しつつ、日本代表としてのプレーモデルや、タフな試合に打ち勝つ強いメンタリティを発揮できるか。それが出せれば、良い試合ができると思っています。
アジアにおける日本が培ってきたものはありますし、そうしたプライドは持っていますが、今のグループはあくまでもチャレンジャーとして臨んでいます。準々決勝がインドネシアになったから勝てるだろうと思っているスタッフ、選手は1人もいません。ノックアウトステージなので延長やPKもあるかもしれませんが、相手がどこであっても40分間しっかりと、真面目に、やるべきことをやり続けるだけです。
──木暮監督がどこまで計算していたかはわかりませんが、結果的には初戦での黒星があって、そこから中1日で立て直し、最終戦で2点差以上での勝利というハードルを乗り越えた。これはグループにとっては大きな経験になっているのではないでしょうか?
まったく計算していたわけではありません(笑)。私が言えるとしたら、物事にはプロセスというものがあります。圧倒的な勝利や、魅力的なフットサルが求められていると思いますが、大きなものを達成するためには、さまざまなプロセスを経ていかなくてはいけないですし、うまくいくことばかりではありません。
自分自身は20年以上そうしたところに関わっていますし、何かしらの結果が出た時に「ああいうこともあったな」「あれが今につながっているのか」というのが見えてくるのかなと。一喜一憂せず、突き進んでいくという覚悟でやっています。そうしたプロセスがあった中で、最終的には1位で突破できたことは、前向きにとらえたいなと思います。
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