どん底からFの頂へ。大分・V字回復のキーマンは3季ぶりに帰ってきた闘将と活動休止から復活したエース。
PHOTO BY軍記ひろし
優勝する未来へと突き進むチームづくり
ただし誤解を恐れずに言うなら、大分は「強くなった」ではなく「強さが戻ってきた」が正しい。
2015/2016シーズンからの3年間で7位、8位、12位と順位を落としたが、それ以前は優勝争いの常連だった。前期・後期制のレギュラーシーズンで2位になった2013/2014シーズンは、プレーオフファイナル第1戦で名古屋を7-6の激闘の末に破り、リーグ優勝にあと一歩まで迫り(第2戦は0-7で惨敗)、翌2014/2015シーズンは圧倒的な攻撃力を武器にリーグ2位となって、2年連続でプレーオフに出場(1stラウンドでシュライカー大阪に敗退)。この2年間は、伊藤監督が指揮していた。
名古屋に次ぐとされるクラブ規模を誇り、選手はプロに近い環境でトレーニングできるために、「名古屋を最初に倒すべきは大分」と言われ続けた彼らは、打倒・名古屋の筆頭だったのだ。
「何かを取り戻すという表現は好きではありません。新しいものを作っていく、それが私の責務です。熱い情熱を持って全力で戦います。一緒に新たなバサジィ大分を作っていきましょう」
2018年3月の再任時に、伊藤監督は「戻る」ではなく「新たに作る」と話したが、再スタートを切った大分が今まさに目指すのは、「優勝できなかった」過去ではなく、「優勝する」未来だ。
過去から未来へ。新チームで進化を遂げる彼らは、実際にどういう変化を見せているのか。
少なくとも開幕戦から3試合で見せているインパクトは、昨シーズンを凌駕している。今シーズンのチーム事情は決して、“昨年以上”とは言えない戦力バランスにも関わらず、だ。
今シーズンを前に、現役引退した狩野新や原田浩平、新天地へ移った田村研人、上福元俊哉、森村孝志らトップレベルの選手を含めて大量9人が退団。その一方で、獲得したのは5人。経験値の高い石黒紘久、日本代表でも成長が期待される矢澤大夢という2人のゴレイロ、Fリーグ選抜から瀧澤太将、湘南ベルマーレから小門勇太、大阪から3年ぶりに復帰した芝野創太。ポジションのバランスを含めて、キーマンを手放しながらも、その穴を補える選手を加えたという意味では均衡した印象だ。
しかし、伊藤監督が目指すフットサルは、このメンバーで間違いなく加速した。
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