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【インタビュー】日本代表への想い。家族への想い。大阪・稲田瑞穂が「Fリーグ引退」の本音を語る。

PHOTO BY軍記ひろし

「チーム内日本人得点王」は譲れない

──これも難しい質問かもしれないですが、稲田選手と一緒に出るときは逆の右サイドを主戦場にしている加藤未渚実選手が、日本代表の中軸へと成長しています。そこには、嬉しさと、悔しさがあったのでは?

でも、ミナミは本当にすごい選手ですから。よく練習後に残ってやる“のこ練”でシュート練習の勝負を、(ゴレイロの)檜山(昇吾)を交えてやったりしています。後輩ですけど、いい目標であり、向こうはどう思っているかわからないですが、僕自身としては、すごく刺激をもらえる存在です。地味に(チーム内の日本人)得点王争いをしています(笑)。今は1点差であいつが勝っていますけどね(編集部注:13点・相井忍、12点・加藤未渚実、11点・稲田瑞穂、田村友貴、堀内迪弥、10点・小曽戸允哉という大混戦。アルトゥールは21得点でダントツ)。

──そこは絶対に譲れないですね(笑)。

そうです。残り4試合、絶対に決めたいですね。

──今のタイミングでは9年間を振り返って感傷的になっているわけではなさそうですね。

全部が終わって、「もう(試合が)ないんだな」っていう感情が湧き出てくるのかもしれないですが、今はまだプレーオフ出場争いのまっただ中で、チーム一丸となってやっていますからね。発表はしましたが、残り1試合でも多くチームでプレーして、(Fリーグと全日本選手権の)2つの頂点にいきたいです。

──Fリーグデビューから9年間で、稲田選手自身もいろんな選手の引退を目の当たりにしてきたと思いますが、そこに自分が入ることに不思議な感覚があったりしますか?

(引退を発表して)SNS上とかでもすごくたくさんのコメントをいただいたりして、僕のなかでは反響が出ると思っていなかったのでありがたかったですし、多くの方に応援してもらえていたことを改めて実感しました。本当に、フットサルを盛り上げてくれて、自分より先に引退された方たちのために、Fリーグがもっと盛り上がって、フットサルを盛り上げていきたいと思ってきました。引退はしますけど、僕はこれからもFリーグのために何か力になりたいと思っています。

──カテゴリーは変わりますが、蹴り続けることでフットサルの楽しさや、稲田選手だからこそ伝えられることもありますよね。

そうですね。「Fリーグの選手は大したことないな」と言われないように、すごいんだぞってことを見せたいです。関西リーグなのか大阪府リーグなのか、それ以外なのか、カテゴリーはわからないですが、そういうところで、プレーもそうですし、アスリートの姿勢を示していきたいですね。

──リーグ戦は残り4試合。プレーオフ優勝を目指していきますが、改めて「稲田瑞穂のここを見てくれ」という意気込みをお聞かせいただけますか?

チームのためにどれだけできるかだと思っています。ミナミとかアルトゥールのような派手なプレーではないと思いますが、チームのために一歩でも早く戻ったり、一歩でも早くゴール前に飛び出したり、そういった犠牲心を出せる選手も大事だと思う。そういうところを見てほしいですし、最後に応援してくれた方々に恩返しできるようなプレーをしたいです。父母や奥さん、子どもたち家族もそうですし、すべての人への感謝の気持ちを込めて、ピッチに立ちたいです。

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