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2020.10.10

【日本女子代表/WEB取材】「悔いがないくらい毎日準備して、代表活動がなくても準備する」“先輩”の想いを継ぐ吉林千景の存在意義とは

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フットサル日本女子代表は10月9日から3日間、千葉県・高円宮記念JFA夢フィールドでトレーニングキャンプを実施。初日、2日目の午前練習を終えてWEB取材が行われ、吉林千景がインタビューに応じた。

スペインでフットサルを学び、2015年の第1回アジア選手権に出場したが、その後、2回も前十字靭帯損傷を経験し、フットサルができない空白の2年を過ごした。カムバックした彼女は再びスペインに旅立ち、昨年から戦いの場を日本に戻した。

そして、2019年12月のスペイン遠征と、10カ月ぶりの今回の合宿に招集された。かつて、2007年に日本女子代表が結成され、そこから2007年、2009年、2013年とアジアインドアゲームズを3連覇した当時の、強烈な想いを胸に戦っていた時代のトップ選手たちの想いを紡ぐのが吉林だ。

今の代表チームに足りないもの。アジアや世界で戦うために必要なこと。そのために必要なメンタリティを注入することこそ、吉林に求められている役割に他ならない。

気迫や気持ちのこもったプレーを練習から出せているか

──木暮賢一郎監督の下での活動はどれくらいですか?

去年のスペイン遠征から2回目ですね。でも木暮監督は昔から知っています。

──以前から知っている。

実は、慶應大学に通っていた頃、グレさんが小宮山(友祐)さんと一緒に先生として大学に教えにきてくれていました。なので、その時代のグレさん、選手時代も知っていました。

──木暮監督と代表選手としてやってくるなかで、監督の求めるスタイルはどんなものだと感じる?

選手一人ひとりに自立した考えが求められるし、ピッチ内で何をできるのかを一瞬一瞬で判断する。いろんな戦術を教えてもらいますが、最後にやるのは自分たちなので、そこが求められていると思います。

──個人の技術を出す前のベースが必要という感覚?

呼ばれる選手はやはり技術のある選手が多いので、その技術が集まったときにどんな化学反応が起きるかが大事だと思います。ベースはありますけど、(個人技術と戦術は)50:50くらいで考えています。

──大ケガをされて代表に戻ってきた。ケガの前と後で考えやプレースタイルの変化は?

すごくあります。前十字靭帯を2回ケガしてしまい、代表どころか、2年間はフットサルから離れることになりました。その2年があって、また代表に呼ばれた。ケガをする前の自分というよりも、いろんな経験をした自分が、今のチームに求められているのかなと。日本女子代表としては8年目となりますが、それ以前から戦ってきた選手がもっていた勝負への想いなどを新しい選手に伝えるのが自分の役割かなと思っています。

以前は、ピッチではアタッカーの役割が強かったですが、今は全体のバランスを見たプレーを、自分の中でも意識していることです。アタッカーとしての能力が高い選手はたくさんいるので、そうした個人を生かすためにもチーム全体のバランスを意識しています。

──アジア選手権は2015年の第1回大会以来となります。アジアで勝つために今のチームが必要なことは?

第1回大会、第2回大会は、決勝で負けて準優勝。最後に勝ちきる部分ですよね。そこまでいくともう、技術の差ではなく、自分たちを信じてどれだけ走って、どれだけ助け合えるか。大会の最後で、体もきついなかで勝ちきるには、精神的なことが大事だと思っています。私は、アジアを3連覇していた時代の代表にも関わっていましたが、その時代のような「絶対に勝つ」という気迫や気持ちのこもったプレーを、すべての練習から出せている選手は少ないし足りないと思うので、そこが必要なのかなと思います。

──アジアのレベルは上がっている?

純粋に上がっていると思います。どのチームもアジア選手権があることで強化をしていますし、特にイランやタイのレベルは上がっていると思います。

──スペインが頂点にいますし、昨年12月の遠征でも差を感じたのでは。吉林選手は出場時間も長く、監督から信頼されている。現状、活動機会も少ないなかで、そういう頂点に近づいていくためには。

今は活動も少ないですし、コロナの影響もあって目指す大会が定まっていない状況ですが、女子フットサルはそもそも、そういう部分を言い訳にしてはいけないと思っています。これまでも短い準備期間で大会に臨むのが当たり前でしたから。そのなかで、選手同士で話をしたり、戦術を合わせようと思わなくても合うような感覚、みんなが何を考えているかが分かるレベルになることが必要です。

戦術がわからないとかそういうレベルではなく、どうやって試合に勝つか、どの戦術で相手に勝ち、目の前の相手に勝つかを突き詰めていかないといけない。スペイン代表は私たちよりも活動も多いですし、戦術どうこうで悩んではいないし、迷いがないプレーをしていました。そこに加えて、フィジカルでも差があった。試合の運び方やメンタリティについても、すごく差があることを選手全員が感じていたと思う。私たちがスペインのようなスタイルを目指すというのは少し違うと思いますが、自分たちで悔いがないくらい毎日準備して、代表活動がなくても準備して、そういう根本から変えていけないとアジアの頂点を取れないと思います。

──会えない期間でもコミュニケーションをとる。LINEグループもあるとか?

今の代表チームは、同じチームから何人も選ばれている選手がいます。SWHや浦安はセットで選ばれているので選手同士のコミュニケーションは取れていると思いますが、チームから1、2名の場合は、LINEグループがあるかはわからないですが、代表の戦術映像を定期的に見たりするのも必要かなと。実は今回、木暮監督がプレーブックを作ってくれました。私たちの戦術がすべて載っている本をくれたので、そこでベースにして、いつでも立ち帰れるようにしています。

──プレーブック。どんな分量で、どんな内容なんですか?

厚さでいうと、けっこうな枚数があります(笑)。戦術面のクリアランス、キックイン、CK、FK、自分たちの攻撃や守備のスタンス、考え方……木暮ジャパンの教科書という内容です。

 


【初日トレーニング前インタビュー】

・「明日大会があっても優勝できるチームをつくる。そこが明確な目標」木暮賢一郎監督

・「戦術も、練習や試合への姿勢も、気持ちも全部吸収して帰りたい」藤田実桜

【2日目午前トレーニング後インタビュー】

・「木暮監督の戦術のなかでゴールを奪いたい」江口未珂

・「学びにきたのではなく代表のポジションを勝ち取りにきた」高尾茜利

・「悔いがないくらい毎日準備して、代表活動がなくても準備する」吉林千景

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