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2021.09.22

タイムアウトの取り方までしたたかだった、試合巧者・パラグアイ|元日本代表・渡邉知晃コラム

PHOTO BYFIFA/Getty Images

FIFAフットサルワールドカップ第3戦は1-2で敗戦した。

この試合のポイントを紹介するにあたり、まずはこの数字を見てもらいたい。

▷ボールポゼッション
日本 62%:パラグアイ 38%
▷シュート数
日本 39本:パラグアイ 20本

あえて語る必要もないが、日本がゲームを支配していたこと、多くのシュートシーンをつくったことは明白だ。

フットサルにおいて、ボールを保持する時間の長さと、シュートチャンスを多くつくることは、試合に勝つための重要なファクターであることは間違いない。こちらが攻撃シーンをたくさんつくることは逆に、相手にとっては守備の時間が長くなることで疲弊し、メンタル的なきつさを併発することも意味する(もちろん、日本代表が目指す「守備で相手を動かして主導権をにぎる」という概念も存在するが、一般的に守備の時間が長いことは、攻撃を続けているよりも疲弊しやすい状況をまねく)。

この日の日本は、前からの積極的なプレッシングでボールを奪ってマイボールにするディフェンスが機能した。攻撃でも、ボールを保持しながらピヴォを使ってチャンスを狙っていくという、攻守において、ブルーノ・ガルシア監督が目指す“日本代表のフットサル”を、多くの時間で体現できていた。

しかし、結果は敗戦。それはなぜか。

端的に表現するなら、それは「パラグアイが試合功者だった」ということだ。

■日本代表vsパラグアイ代表|試合レポート

文=渡邉知晃(元フットサル日本代表)


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日本優勢にもかかわらず嫌な予感

僕自身、試合を観戦しながら「日本が目指すフットサルを体現しながらゲームを支配している」という印象をもっていた。パラグアイの特徴でもある、個人技やドリブルをメインにしたプレス回避と、前線の2枚が残ってプレスをかけてくる守備に多少は苦戦している場面も見られたが、崩れてはいない。相手の守備を回避した後の攻撃ではチャンスをつくり、後半は特に、攻撃面で多くの積極的なプレーを見せていた。

一方で、少し嫌な予感もしていた。

なぜなら、パラグアイが焦っているように見えなかったからだ。

この試合で、引き分けなら日本が2位、パラグアイが3位という状況を考えても、勝たなければいけないのはむしろパラグアイのほうだったはずだ。しかし、同点のまま第2ピリオド10分が経過した段階でも、前がかりになり、リスクをかけて得点を奪いにいこうという様子は見られなかった。

パラグアイは徹底していた。

焦って、リスクをかけてゴールを奪いにいくのではなく、自分たちの最大の武器であるカウンターからのゴールを虎視眈々と狙っていたのだ。そして、ワンチャンス。その瞬間が訪れたときにきっちりゴールを決めた。

残り時間6分29秒、パラグアイのチラベルト監督はタイムアウトを取得。国際映像を通してベンチの会話が聞こえてきたが、残り時間の戦い方を徹底するように話していた。

本来、第2ピリオドでリードしているチームは、相手にパワープレーをされた際の守備の確認や修正のためにタイムアウトをとっておくものだが、このタイミングでチームの意思統一を図ったのだ。守備が自慢のパラグアイだけに、パワープレーの守備に自信があったことも、あえてタイムアウトを残さなかった理由かもしれない。

最後まで彼らのしたたかさ、試合功者ぶりは変わらなかった。

こうした巧者ぶりは、経験値がものをいう。南米予選でブラジルやアルゼンチンといった強国と常に争っていることが彼らの大きなメリットになっていることは間違いないだろう。たとえ試合を支配されていたとしても、カウンターからの数少ないチャンスを確実に決め切るという、自分たちのストロングポイントを磨いてきた結果が、今のパラグアイをつくっていると感じた。彼らの戦いを見て、勝負強さの意味を再確認した気がする。

話を、日本に戻そう。敗れたものの、日本はノックアウトステージに進出した。その事実は変わらない。

そして、こんな事実もある。2016年の前回大会で、同じアジア勢のイランが、ブラジルを倒している──。

そう、不可能ではないのだ。勝負事に絶対はない。ブラジルを倒して史上初のベスト8進出を決めてほしい。

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