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2021.09.17

スペイン戦で日本を勝利に導く3つのポイント|元日本代表・渡邉知晃レポート

PHOTO BY高橋学

FIFAフットサルワールドカップの初戦、アンゴラに8-4で勝利した日本代表。W杯に初めて出場するアンゴラは、良い意味でも悪い意味でも“フットサルらしくない”戦い方をしてきた。そんなやりづらい相手から日本が勝ち点3を獲得できたことは、大きな意味をもつ。

日本が次に戦うのは、世界ランキング1位のスペイン。アンゴラに対して、彼らはどこまでも“フットサルらしい”戦いをしてくる相手だ。つまり、日本にとって“やりづらさ”はない。純粋に、フットサルの技術と戦術、その他あらゆる駆け引きを、真っ向からぶつ合う勝負となる。

しかし、アンゴラ戦が参考にならないわけではない。それどころかむしろ、日本がW杯初戦で蓄積した経験は、スペイン戦でそのまま生かすことができる。ここでは、アンゴラ戦で勝敗を分けたポイントを振り返りながら、日本がスペインに勝利する3つのポイントとしてお伝えする。

■日本代表vsアンゴラ代表|試合レポート

文=渡邉知晃(元フットサル日本代表)


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①アルトゥールの存在|カギを握るセットプレー

まず、なんといってもオリベイラ・アルトゥールの存在だ。

スターティング5のフィクソとして多くの時間をピッチで過ごし、ゲームをコントロールしながら圧巻の4ゴールを決めてみせた。

今大会の結果を左右するカギであり、ブルーノジャパンの武器の一つでもある「セットプレー」から3ゴールを奪ったことはポジティブな要素だ(そのあたりの考察はこちらへ)。シューターとして脅威となるアルトゥールがいることで、この先、相手に対策された場合には逆に他の選手が空きやすくなり、新たなチャンスが生まれるという効果も期待できる。

強豪国と対戦するときはなおさら、通常の流れのなかで得点を奪うことが簡単ではなくなり、セットプレーがより大事になってくる。その点でも、アルトゥールの存在感と得点力は、今後もチームを勝利に導くポイントとなるだろう。

②関口優志のメンタル|いつもと変わらないプレー

次に、ブレることのなかった関口優志のメンタルだ。

この試合、流れの悪い嫌な時間帯や得点差の場面で、日本のミスから失点することや、オウンゴールなど不運な失点があった。アンゴラはなにをしてくるかわからない相手であり、アフリカ特有の身体能力を生かしたディフェンスやドリブルをしてくるため、普段とは異なるミスの仕方やボールロストが起きやすい状況ではあった。そこで重要なのがゴレイロのメンタルだ。

たとえ“ノーチャンス”のシュートや、周囲がそれは仕方がないと感じる失点であっても、「ゴールを決められた」事実から、メンタルが沈んでしまうことがある。ましてやW杯という大舞台で、なおかつ大事な初戦。流れが悪いときやスコアが拮抗しているときに、ミスから失点を許したならば、いつも以上にゴレイロが精神的なダメージを受けてしまってもおかしくはない。

それでも、この日先発を任された関口優志は、いつもと同じようにプレーを続けた。

その証が、試合終盤のシーンだ。得意のスローからゴール前の星翔太にアシストしたプレーは、最後まで抜け目なく1点を狙うため、集中を切らしていなかった証拠だろう。ピッチに立つ仲間がうまくプレーできていないときでも、失点直後でも、大崩れすることなく、自分たちのプレーを続けられた要因に、「後ろには優志がいる!」という安心感もあったはずだ。関口のブレないメンタルは、勝因の一つに違いなかった。

③失点直後の連続得点|相手に傾きそうな流れを引き戻した

最後に、失点直後の連続ゴールだ。

失点直後は通常、流れが相手に傾いてしまう可能性が高い。当然、連続失点は避けなければならないし、一刻も早く流れを引き戻す必要がある。ゴール前の星龍太の足に当たったオウンゴールで4-3と1点差に詰め寄られ、相手に流れが向きかけた直後に、星龍太と西谷良介の連続ゴールによって再びスコアを引き離せたことは、この試合を勝利できた大きなポイントだった。

連続失点は避けなければならないことの裏返しとして、連続ゴールできたこと、さらに、6-3と3点差にリードを広げられたことで、日本は流れを取り戻し、ピッチの全員が余裕をもってプレーできる状況をつくり出せたのだ。

ゴールの内容も、相手のミスを見逃さずに確実に得点に結びつけられたこともポジティブな要素だったと言える。

さて、次はいよいよスペインだ。冒頭でも伝えたように、アンゴラ戦とは全く異なる試合になるだろう。直前のキャンプ中にスペインと国際親善試合で対戦できたが、W杯の真剣勝負では、そのときと同じようにはいかないはずだ。

そんなときに、今回のアンゴラ戦で勝利できた3つの要因が、戦いのヒントになる。言うまでもなく、アルトゥールのセットプレーと、それを警戒してくる相手の裏を突くこと。流れが悪いときでもゴレイロが集中を切らさないで戦い続け、虎視眈々とゴールチャンスを狙うこと。もし失点したとしても連続失点を避けること、そしてゴールを決めたらすぐさま次の得点を狙うこと──。

余計なことは考えず、日本にはぜひ、スペインから勝ち点3を奪うことに集中してほしい。

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