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作成日時:2022.09.12
更新日時:2022.09.20

【インタビュー】浦安の監督として、元代表主将として、小宮山友祐は木暮ジャパンをどう見たか。「強いですね。クオリティが高い」

PHOTO BY勝又寛晃

10日、高円宮記念JFA夢フィールドで日本代表vsバルドラール浦安のトレーニングマッチが行われた。15日と18日に控えるブラジル戦前のテストマッチの相手として戦った浦安の小宮山友祐監督は、このトレーニングマッチにどんな目的を持って臨んだのか。

そして、元日本代表キャプテンという立場でもある小宮山監督の目に“木暮ジャパン”はどう映り、浦安から選出されている日本代表組をどのように見ていたか。トレーニングマッチ終了後、小宮山監督が取材に応じた。

取材=北健一郎
編集=舞野隼大

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長坂、石田はもっとできる

──木暮さんが代表監督になってからトレーニングマッチを行ったのは、何回目になりますか?

U-20代表も含めたら4回目とかですかね。うちは千葉県が本拠地なので、定期的にやらせてもらえることは、こちらとしてもいい刺激になるので、今回も快諾させてもらいました。今日は代表選手(ピレス・イゴール、長坂拓海、石田健太郎)が抜けて、ディドゥダ、ガリンシャもいなかったので、将棋で言えば飛車、角、金、銀、王がいないようなものでしたが、よくやってくれたと思います。選手には感謝しています。

──リーグで2位につけていることが、代表選手を3名輩出している要因でもあると思うので、うれしさもあるのでは?

うれしいです。自分も代表を経験していた身なので、一人でも多く代表に入ってもらいたいです。今の日本代表の監督は一番フットサルを知っている監督だと思いますし、代表のプライド、重みも分かっていると思うので、この時期に代表に入ってほしいなと思います。

──小宮山監督から見て、“木暮ジャパン”はどうですか?

強いですね。クオリティが高いですよね。ブルーノ(ガルシア)監督の代表ともトレーニングマッチをしたことがありますけど、上手さで言えば一番上手いと思います。全然ロストしないですし、変なミスもあまりしない。それを分かっていたので、突破されたら数的不利になってしまいますけど、取れたらチャンスになるので、今日はこちらがあえて数的優位を作りにいって、リスクをかけていこうとしました。それでもあまりミスをしないですし、選手それぞれがスペシャリストですね。左利き、右利き、ドリブラー、フィクソ、ピヴォと揃っている。本当にいいチームだなと思いますね。

──ブルーノ・ジャパンは前からのプレスをベースにチームを作っていましたが。

そうですね。ハードワークできるチームだったのに対して、木暮はよりボールを保持する思考が強いのかなと思います。GKを上げる戦術もそうですし、マイボールの時間を長くして、相手陣地で戦いたいというのが彼のプレーモデルだと思います。GKを使って、1対1ができる選手、強いピヴォ……。理にかなっているなと思うので、今日はそれをぶっ壊しにいこうと思ったのですが、壊せなかったですね(笑)。

──ですが東出脩椰や外林綾吾、柴山圭吾といった若い選手がかなりいいプレーをしていたと思います。

そうですね。彼らはU-19代表で木暮に呼ばれているので、いい刺激になっていると思います。木暮が監督のうちにA代表にも呼ばれてほしいと思いますし、もっともっと目立ってほしい。もっとやれたんじゃないかと個人的には思います。

──本音を言えば、やはり勝ちたかった?

「トレーニングマッチだけど関係ない、勝ちにいこう。俺は公式戦と同じテンションでやる。木暮監督の目に留まればチャンスはある」と選手に話していました。それに、今日は試合に出ていない選手ばかりだったので、「『友祐さん、代表相手にこれだけできますよ!』と、俺にもアピールしてほしい」と言って、全員で勝ちにいきました。なのでこの結果は悔しかったですね。ミスから失点をしているので、もったいなかったですし、キックインを与えてしまえばアルトゥールが絶対にシュートを打ってくるのは分かっていて、その対策もした上でやられている。それを決めるアルトゥールもすごいですけど、自分たちがまだまだ足りないなと思います。

──アルトゥール、清水和也、吉川智貴というトップクラスのクオリティを持つ選手によってスコアを重ねられていったようにも見えました。

あとは、平田(ネト・アントニオ・マサノリ)のピヴォもいいですよね。彼は運動能力が高いですし、どこにでも顔を出せる。一時期よりもだいぶ収まるようになってきた。あとは左利きの選手のバランスですよね。そこがしっかりあるなと感じますね。

──教え子でもある長坂、石田がブラジル戦と、その先のAFCフットサルアジアカップを目指すメンバーに選ばれた感想は?

うれしいですよ。候補とか、国際親善試合に呼ばれる選手はいますけど、それは本当の代表ではないと思っていて、アジアカップやW杯に呼ばれるかどうかが選手の価値と、僕はよく言ってます。長坂も石田もやれると思いますし、チームでそれくらいの結果を出している。今日、長坂の出場時間は短かったですけど、もっとやれると思いますし、ブラジル相手に彼が必ず躍動してくれるはずです。自分のチームの選手が出るので、スケジュールを調整して、無理して豊田の試合へ応援に行くので、是非がんばってほしいなと思います。

──浦安はクアトロのプレーモデルが長かったですが、小宮山監督が指揮を執るようになってからは縦方向へのプレーが増えたことで、長坂や石田が代表に入りやすくなったのかなと思うのですが。

それはあると思います。ベースはクワトロですけど、特に石田をクワトロに慣れさせてしまった部分が多いですけど、シーズン序盤にガリンシャとコンビを組ませていました。一番大きな違いは、ガリンシャが左利きのピヴォなのに対し、清水も平田も右利きのピヴォなので対角ではなく同サイドにいるので、そこでアジャストするのに難しさがあるのかなと思います。でも2人ともフットボールスキル、フットサルの知識も経験も高いので、すぐ順応するんじゃないかなと思いますし、もっと良さを出せるはずです。

浦安の時みたいに、長坂ならもっと1対1を仕掛けてもいいですし、石田なら斜め(にパスを)をもっといやらしく狙ってもいいと思っています。代表で自分のベストパフォーマンスを出せるかどうかですが、その辺りがまだ8割くらいなんじゃないかなと。

──小宮山監督自身も選手時代、ブラジルと何度も対戦しています。その相手と国内で戦うことについては?

ブラジルとは国内での試合やW杯と、何度か戦いましたけど、W杯の時のブラジルはめちゃくちゃ強かった印象です。Fリーグからもブラジル人選手が代表に入ることができたというのは、このリーグの評価にもつながっていると思います。ブラジルはブラジルなので、前日に来ようが当日に来ようが関係なく強いと思います。ですが日本も帰化選手がいますし、W杯を経験した選手もいるので、そういった意味ではおもしろい試合になるんじゃないかと思います。世界のベスト8、ベスト4を狙っていくにはいい試合をして、勝ってほしいと思います。

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